香川は才能発掘の「鍵となった選手」 アーセナル加入のドルト敏腕スカウトに英メディア注目

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“ダイヤモンド・アイ”の異名を持つミスリンタット氏の経歴を紹介

 ドルトムントのチーフスカウトを務めるスヴェン・ミスリンタット氏が同クラブを離れ、アーセン・ベンゲル監督率いるアーセナルに加入した。

 若き才能を発掘してきた敏腕スカウトだが、その経歴を英衛星放送「スカイ・スポーツ」が紹介。発掘の好例として、香川加入の経緯が紹介されている。

 同紙は10年間にわたってドルトムントのスカウトを務めた。「ピエール=エメリク・オーバメヤン、シンジ・カガワとウスマン・デンベレを発掘し、『ダイヤモンド・アイ』の愛称で知られる同氏について知っていることはあるだろうか?」と紹介。「ダイヤモンド・アイ」のニックネームを持つミスリンタット氏が、無名の才能を引き上げる術に長けていることを紹介している。

 ミスリンタット氏が香川を見出したのは、2010年のこと。セレッソ大阪から35万ユーロ(約4600万円)でドルトムントが獲得したが、「彼とそのチームは6回にわたって日本を訪れ、10〜15回の映像分析を行ったことで、当時21歳のカガワがドルトムントに適応しているのを確認した」と、詳細なチェックによって加入を進めてきたという。

 またミスリンタット氏本人のコメントも記事では紹介。「スカウトとしてのキャリアで鍵となったプレーヤーはシンジ・カガワだった。2部リーグ(J2)で若手有望株を見つければ、その選手は少額の金額で大きな違いを作ってくれる。彼のキャリアにおいて、誰もが必要とするターニングポイントだった」と、香川のキャリアアップの一助となったとしている。


ベンゲルも期待「育成はクラブ哲学の中核」

 そしてミスリンタット氏を受け入れる側のベンゲル監督が、クラブ公式サイトで発信した言葉も紹介されている。「我々はスヴェンが加わって光栄だ。選手の発掘と育成は我々のクラブ哲学の中核であり、スヴェンは長年にわたって優れた実績を残してきた。現状の発掘をさらに促進させてほしい」と期待を寄せている。

 数々の有望株を欧州サッカーの最前線に送り出した目利きスカウト。“ネクスト香川”を新天地ロンドンに連れて来れば、その名声はさらに高まりそうだ。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images