どこまで伸びる?電子部品各社の業績
主な要因は、アップルの新型スマホが伸び悩んでいることにある。新型スマホの販売が振るわなければ、サプライヤーへの発注が減る恐れがある。現時点では「大きな影響はない」(石黒成直TDK社長)との声が大勢を占めるものの、下期に向けては「慎重に見る」(気賀洋一郎アルプス電気取締役)と、警戒を緩めていない。
一方、17年4―9月期連結決算は、部品各社の多くが好調を維持。村田製作所は同期の受注高と9月末時点での受注残高が過去最高を更新した。同社の村田恒夫会長兼社長は足元の状況について「市場的に悲観するところはない」と説明する。アルプス電気もスマホ向けカメラアクチュエーターがけん引し、電子部品事業全体では4―9月期ベースで過去最高となった。
TDKは北米のスマホ向けに二次電池や受動部品、センサー製品が好調に推移した。
一方、ロームはスマホ向けの非接触充電用制御ICや手ぶれ防止用ICが好調だった。「新しい製品で(新市場に)参入する」(澤村諭社長)と力を込める。
またスマホ以外では、産業・車載向け部品事業がスマホ向けと同等の規模にまで成長しており、利益面に寄与している。日本電産は車載・産業向け事業の17年4―9月期営業利益が、前年同期比38・2%増の386億円となり、利益面で初めて、スマホ向けなど精密小型モーター事業を抜いた。特に電気自動車(EV)向けトラクションモーターの引き合いが強く「世界全体が本格的にEVへ向かっている」(永守重信会長兼社長)ことが追い風となった。
京セラは17年4―9月期の営業利益が同2・1倍となり、特に「産業・自動車用部品」の事業利益が同2・3倍と顕著に伸びた。京セラの谷本秀夫社長は「(組み立て工程や設計工程について)まだ一貫した自動化(体制)ではない」と説明。生産改革を推進し、さらなる増益を狙う。
特定顧客への依存から脱却しつつ、事業の多角化も進めており、電子部品各社の業績が底堅くなってきた。下期にかけてアップル向けのリスクが残るものの、新事業の創出やリスク分散で安定的な収益体制を継続する構えだ。
