ライオラ代理人(右)は顧客のドンナルンマ(左)が、いますぐアッズーリの守護神を担う実力があると主張した。(C)Getty Images

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 数多くのビッグネームのマネジメントを担当するミーノ・ライオラ代理人が、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューで、またも物議を醸すような発言を繰り広げた。
 
 ライオラ代理人はこの夏、GKジャンルイジ・ドンナルンマの契約延長を巡り、ミランのサポーターやそれ以外のサッカーファンからも大きな批判を浴びた。ただ、一度はクラブのオファーを蹴ったドンナルンマとライオラ代理人だが、最終的にはミランと新たに4年契約を結んでいる。
 
 ただ、ミランが今シーズンのセリエAで4位以内に入れず、来シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を獲得できなかった場合、ライオラ代理人が再び動く可能性はあるだろう。ガゼッタ・デッロ・スポルト紙の「ミランがCLに出られなければ、ドンナルンマは別れを告げるのか?」との質問に、こう答えた。
 
「ドンナルンマは自身の希望を示した。本当に大事なのはそこだ。彼が残ると決めたんだよ。だから、今のところはそっとしておこう。そのうえで、私がミランのプロジェクトをあまり信じていないのは周知の通りだ」
 
 17歳でイタリア代表デビューを飾った現在18歳のドンナルンマは、来年のロシア・ワールドカップで現役引退する予定のジャンルイジ・ブッフォン(39歳)の後継者と謳われている。だが、ライオラ代理人はすでに現時点で、ドンナルンマをブッフォンに代えて起用すべきと考えているようだ。
 
 ブッフォンの後継者について、ライオラ代理人は「状況や選択が変わることもある。代表監督にはそれぞれの考えがあるだろう」とコメント。つまりは、ジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督次第というわけだ。その指揮官への考えを聞かれると、「はっきり言うよ」と酷評した。
 
「彼は方向性を失っていると思う。もう何も分かっていない。完全にパニックに陥っている。自分がやっていることも分かっていない。彼にはブッフォンのような大黒柱を外し、ドンナルンマのような若手を登用するだけの気質がないと思うね」
 
 一方、ライオラ代理人はこの夏の大型移籍にも言及。パリ・サンジェルマンが史上最高額(2億2200万ユーロ=約284億円)でバルセロナからネイマールを引き抜いたことには、「まったくバカげた金額ではない」と独自の見解を示した。
 
「大げさな価格ではない。そう見えるかもしれないが、バルセロナもネイマールに多額を支払った。それに、とても重要なことだが、ネイマールの移籍金を払ったのはパリSGではなく、ひとつの国(パリSGを実質的に支配するカタール)だ。彼らがネイマールを獲得したのは、本当に天才的なことだよ」
 
 同様に、パリSGがモナコから引き抜いたキリアン・エムバペの移籍金(来夏に1億8000万ユーロ=約230億円の支払い)についても、ライオラ代理人は「高すぎるということはない」との見解を示している。
 
 一方で、ネイマールを引き抜かれたバルサは、良い買い物をできなかったと指摘。ドルトムントから獲得したウスマンヌ・デンベレについても苦言を呈した。
 
「エムバペは非常に若い(18歳)が、すでにとても強い選手だ。そういう金額もありえるよ。一方で、デンベレの金額(1億500万ユーロ=約134億円)には賛成できない。パニックに陥っての補強と言えるね。彼の移籍金は高すぎたと言える」
 
 また、ドンナルンマと同じく自身の顧客であるポール・ポグバ(マンチェスター・U)、今夏からマネジメントを担当するマルコ・ヴェッラッティ(パリSG)については、「ポグバとヴェッラッティは世界最高のミッドフィルダーだ」と賛辞を惜しまない。
 
 こうした敏腕代理人の自由奔放発言を、ブッフォン、ヴェントゥーラ、そしてバルサやデンベレはどう捉えただろうか。