米ナイキ、米Amazonでの直接販売を試験的に開始。直販サイトも売り上げ倍増、ネット販売注力へ


米ナイキCEOマーク・フィールズ氏が第4四半期決算の発表において、米Amazonで試験的に製品の販売を開始したことを認めました。ナイキは、ネット通販ではこれまで直販サイトNike+ SNKRSに集中しており、Amazonやその他の大手通販サイトとは一線を画した販売体制を敷いてきました。もちろんこれまでもAmazonでナイキのシューズその他を購入することはできましたが、それは小売店によるマーケットプレイスでの販売でした。

ナイキはAmazonを通じ、まずは限られた製品の試験的な販売によって、消費者体験を向上させる方法を探すとしています。

まだ初期段階であるとはいえ、ナイキが試験的にもAmazonで直販を開始したとなると、昨今問題となっていたマーケットプレイスでの偽造品の販売に対しても一定の抑制効果が期待されます。ただ、完全にそれらを駆逐するには商品を限定せず、本格的な販売を開始しなければならないかもしれません。

Amazonは第4四半期決算報告において、売上高が86億7700万ドルに達したことを発表しました。ただ欧州および中国では好調なものの、足もとの北米市場では1%の伸びにとどまっています。一方ネット販売に目を向けると、Nike+ SNKRSがウェブサイトとアプリ合わせて20億ドルを売り上げるなど昨年から2倍以上の伸びを見せています。こちらは今年後半からは欧州および中国でもネット販売を開始するとしており、さらなる伸びが期待できます。

Amazonでの試験的販売開始により、NikeはすでにAmazonでの直販を開始しているアディダスらを追撃しつつ、伸び悩む北米市場での売上増を狙う構えと言えそう。Amazonとの取引開始のニュースは米国市場におけるNikeの株価を7%も引き上げたとCNBCは伝えています。

なお、今年後半にNikeが発売するであろう新製品には自動靴ひも調整シューズHyper Adapt 2.0の名があるほか「かつてないテクノロジー」をNBAタイアップのアパレルに投入するとのこと。もちろんAir Maxシリーズもいくつか用意されています。