焼き鳥を串から外すか否か…」鶏料理に並々ならぬ愛情がある店主が、お客様に配慮しつつも想いを伝えたところ、賛否両論を巻き起こした一件を覚えているだろうか。

それが田町にある鶏の名店『鳥一代』だ。こだわりの焼き鳥や大人気の「参鶏湯」まで絶品尽くし!味わってみれば、持論も大納得の美味だった!



「お任せ5本盛り」(850円)。部位の個性に合わせ、一番美味しい産地の鶏を使用している。とにかく丁寧な下処理をひと口目から存分に味わうことができるだろう。
こだわりの焼き鳥は、文句なしに旨かった!

『鳥一代』を語る上で、まず「焼き鳥」の件は外せない。実は、2016年12月頃にSNSの投稿をきっかけに話題になった「焼き鳥を串から外さないで」と訴えたのがオーナー・山粼さんなのだ。

しかし実際に足を運んで味わってみると、至極納得させられる。一口まず口にすると、表面はパリッとした食感に焼きあがり、中から肉汁があふれ出す。他店ではクセを感じることがあるぼんじりも、全く臭みがなく、丁寧な下処理が分かる。

山崎さんが焼き鳥で大切にしているのは、串の最初のひと口目の美味しさだという。そのために1本1本丁寧に串打ちを施し、1本を食べきることで完成するドラマがあるのだ。それを、バラバラにして食べてしまっては、ストーリーを追うことは出来ない。



話題になった山粼さんが訴えた「焼き鳥は串から外さないで」とコメントしたホワイトボード。毎日違った内容のコメントが書かれているのも楽しい。

話題になる以前も今も、変わらずその味を愛し、この店の焼き鳥を楽しみに訪れるファンは多い。

「もちろんお客様の自由です。でもおいしく食べるにはやはり串のままというのは知っておいてほしくて。状況によって外した方がいい事情もあるのでしょうが、できれば一番美味しく1人1本ずつ焼き鳥を楽しんで欲しいです」と山粼さん。

食べ方はそれぞれ自由だが、作り手の想いが分かれば、今まで気がつかなかった美味しさに出会えるはずだ。



「参鶏湯(白)」(1人前1980円)。9割以上の人が注文する名物はこれからの時期こそ食べたいスタミナ料理。
参鶏湯デビューするなら『鳥一代』へ!

またこの店はすべての鶏料理が絶品!なかでも「参鶏湯」は焼き鳥に泣けず劣らぬ人気メニューだ。

店がオープンしたのは2006年のこと。まだ韓国料理が浸透していなかった時代に、いち早く日本人にも受け入れられやすい「参鶏湯」を提供したのが同店である。

本来「参鶏湯」は、鶏肉の中に高麗人参などを入れ煮た煮汁を食べる料理であるが、『鳥一代』では、鶏を煮込むスープも別で作っているのが特徴だ。


ここの「参鶏湯」は、ぜひ食べてほしい他にはない逸品!



鶏肉のなかには本場韓国と同様、高麗人参やもち米などが入り、滋味深い味わいが楽しめる。スープは飲み干したら継ぎ足しは無料。〆にはラーメンや雑炊も楽しめる。
骨までほろほろ!驚くほど旨い参鶏湯誕生秘話とは?

まずスープは、大量の鶏ガラ、モミジ、トサカ、長ねぎ、しょうが、にんにくを約8時間かけて、強火で炊き出し作られる。同時進行で、鶏肉も10時間かけて煮込み、骨までほろほろの柔らかくジューシーな鶏肉に。この骨まで食べられるスタイルは、オーナーの山粼彦一さん曰く失敗から生まれた奇跡だという。

「試作品の段階で火を止め忘れて煮込みすぎたな……と思って食べてみたら骨まで食べられて驚くほど美味しかったんです」と語る。まさに「失敗は成功の元」と言える逸品だ。

いまや他店にはない濃厚さ目当てに、多くのファンが足を運んでいる。



「鳥一代の唐揚げ」(680円)
参鶏湯だけじゃない!全ての料理が唸るほど旨い

『鳥一代』の料理はとにかく何を食べてもハズレなし。「鳥一代の唐揚げ」も絶品の一品。

こちらはコチジャン、醤油、ニンニクを合わせたタレに1日漬けこんだ逸品。店の名前を背負ったメニューだけあって、オーナー山粼さんもイチ押しだ。コチジャンを加えることで、ほんのりとスパイシーでパクパク食べ進められてしまう。ビールのお供にも最適だ。



「そら豆」(350円)
旬の味や魚も用意!箸休めにならない絶品揃い

また、季節に合わせた旬の野菜料理も味わえる。この日に用意いただいたのが旬の「そら豆」。

皮ごとこんがりと焼き上げられたそら豆は、しっとりと柔らかく、皮をむく手が止まらなくなる美味しさである。



オーナーの山粼彦一さん。とっても熱くて優しい方でした!

この他にも、同店は季節に合わせた料理も豊富に提供。築地で店長自ら厳選してしいれる新鮮な魚介を使用した刺身など、店内のホワイトボードはその日によって違った品が並ぶ。

そういった季節やその日毎の変化が、田町周辺の住民やオフィスワーカーたちに受け入れられ、何度も足を運んでくれる常連客も多いという。



人気の『鳥一代』の来店前には予約がおすすめ。田町だけでも3店舗展開し、恵比寿や新橋にも出店しているので本店の予約が取れなくても、支店でも同じ美味が味わえる。

鶏料理への愛情と熱意があって、とても謙虚なオーナー・山崎さんが作り上げたメニューは絶品ぞろい。いちげんさんでも入りやすいカジュアルなたたずまいの店だが、味は太鼓判の名店だ。

一度足を運んで情熱のこもった焼き鳥を食べてほしい。きっと「なるほど!」と納得できるはずだ。