人材サービスのインテリジェンス(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、4月の転職求人数は前年同月比20.1%増で29カ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新した。転職希望者数は同39.7%増だった。

 求人数は前月比0.1%増、前年同月比20.1%増、転職希望者数は前月比1.4%増、前年同月比39.7%増だった。求人倍率は前月比0.03ポイント減の2.56倍となった。

 業種別にみると、求人数が増加したのは9業種のうち「金融」「メーカー」「商社・流通」「サービス」の4業種だった。特に伸びたのは、「金融」(前月比17.6%増)、「サービス」(同1.7%増)。

 「金融」では、生命保険会社が来店型の店舗の拡大をしており、営業職の採用が活発となった。

 「サービス」では、事業会社がシステムの改修や増設を積極的に行っているため、ITに強いコンサルティングファームが増員をしていることや、不動産の土地活用を強みとする会社が事業拡大しているため求人数が伸びた。

【業種別 求人数増加率(前月比)】
金融    17.6%増
サービス  1.7%増
商社・流通 0.4%増
メーカー  0.2%増
メディア  0.7%減
メディカル 2.1%減
小売・外食 2.8%減
IT・通信  3.7%減
その他   1.2%増

 職種別では、求人数は11職種のうち「営業系」「技術系(メディカル)」「技術系(化学・食品)」「技術系(建築・土木)」「専門職」の5職種で増加した。特に伸びたのは「営業系」(前月比7.2%増)、「専門職」(同6.6%増)だった。

 「営業系」では、不動産や金融で新年度に採用予定のポジションの募集が4月から始まった。中には、入社後の育成を前提に営業未経験者を歓迎する求人も見られた。

 「専門職」では、コンサルティングファームの採用が活発で、IoT(モノのインターネット化)関連やエネルギーの自由化をはじめ、あらゆる業界で積極的にIT投資をしているため、ITコンサルタントの求人数が増えている。

【職種別 求人数増加率】
営業系   7.2%増
専門職   6.6%増
技術系(化学・食品)3.8%増
技術系(建築・土木)0.5%増
技術系(メディカル)0.0%増減なし
販売・サービス系  0.7%減
企画・管理系    1.8%減
技術系(IT・通信) 2.4%減
クリエイティブ系  4.1%減
技術系(電気・機械)5.9%減
事務・アシスタント系8.1%減

 今後の転職市場についてインテリジェンスでは、「求人数は5月以降も増加が続く」とみており、「これまで中途採用を行っていなかった企業の求人や、業界、業種の未経者を歓迎する求人など、求人の幅が広がってきている」と指摘している。

 また、「転職希望者はボーナス支給の時期を加味して5月中旬から本格的に転職活動を開始するため、増加が見込まれる」と予測した。