人材サービスのキャリアデザインセンター(東京・港、多田弘實社長兼会長)は2017年9月期第2四半期の決算説明会を開催した。人材紹介とIT派遣の売上高が前年同期比20%を超える伸びとなり、女性対象の求人サイトも好調で増収増益となった。

 17年9月期第2四半期の業績は、売上高46億7000万円(前年同期比14%増)、営業利益4億4200万円(同10%増)、経常利益4億4500億円(同10%増)、純利益2億9400万円(同15%増)だった。

 売上高を事業別に見ると、メディア情報が21億6400万円(前年同期比9%増)、人材紹介が10億4400万円(同24%増)、新卒メディアは1億5700万円(同29%減)、新卒紹介2400万円(同28%減)、IT派遣は12億9400万円(同27%増)となり、人材紹介とIT派遣が拡大した。

 主力のメディア情報は、求人サイト「@type」が得意とするエンジニア領域の売上高が前年同期比4%減、営業領域も同8%減となり、「@type」全体の売上高は9億6100万円(前年同期比1%減)と厳しい結果だった。

 一方、女性対象の求人サイト「女の転職@type」が好調で、売上高が前年同期比18%増の10億3000万円となり、「@type」を上回った。

 メディア情報の状況について、多田同社社長は「コミッション営業と代理店は好調だが、赤坂本社の営業組織が課題」と述べた。

 同社では近年、メディア情報の営業社員が定着せず、営業力を高めることが難しい状況となっていた。そこで、前期から採用の強化と人事制度の変更に着手し、業績優秀者へのインセンティブの拡充や営業社員のキャリアパスの明確化、残業抑制や有給休暇取得の奨励などをトップ主導で強力に進めた結果、10%を超えていた営業社員の退職率は7%程度まで低下した。

 また4月からは、営業社員へ残業代を支給するなどの処遇改善を行っており、「利益率の高いメディア事業が拡大すれば、さらに高い業績が実現できる」(多田社長)と強調した。

 コスト面では、IT派遣の拡大に連動してIT派遣スタッフの給与が前年同期比27%増の10億3600万円と増加した。人件費も採用の強化と定着率の向上で、同18%増の15億8100万円と増加した。広告宣伝費は同4%増の6億8700万円だった。

 17年9月期の通期計画は、売上高97億7100万円(前期比14%増)、営業利益11億5600万円(同15%増)、経常利益11億5600万円(同15%増)純利益7億3900万円(同10%増)で、期初の計画を据え置いた。