エンジニア派遣最大手メイテック(東京・港、國分秀世社長)は2017年3月期決算を発表した。大手・中堅メーカーとの採用競争による人材確保に苦戦したが、主要クライアントである製造大手各社の堅調な受注環境下で稼働率は高水準を維持し、増収増益となった。

 2017年3月期決算の業績は、売上高899億円(前年同期比2.4%増)、営業利益111億42百万円(同2.5%増)の増収増益となった。売上高は子会社であるアポロ技研の売却により予想を下回ったが、営業利益は予想を上回った。当期純利益は、前期の研修施設等の売却による約10億円の特別利益が消失しても、前期比微減の79億(同1.8%減)となった。

 主要クライアントである製造大手各社は堅調な技術開発投資を続けており、特に自動車関連、産業用機器での受注が好調だ。一方、情報通信機器関連の売り上げは減少した。

 グループ全体のエンジニア社員数は積極的な増員により3月末で8657人となり、5年連続増加となる前年同期比377人増となった。2017年4月1日時点では、過去最高の9185人で新年度をスタートさせた。

 エンジニアの稼働率は、新卒エンジニアの配属厳選や業務ローテーション推進、積極的な中途採用により前期比で微減したが、依然として堅調な受注環境により95%超の高水準を維持している。 同社の最大の課題はエンジニアの確保だが、2017年4月の新卒採用数は期初計画から19人減の521人となった。求人企業数・募集人員の増加に加え、インターンシップによる応募者の業界絞り込みが早期化したことによる追加応募者の獲得苦戦などにより、厳しい採用活動を強いられた。

 同様に、中途採用市場も求人数は継続増加しており、2017年3月期の中途採用は期初計画から26人減の292人となり、採用環境はさらに激化している。

 2018年3月期業績予想は、売上高920億円(前年同期比2.2%増)、営業利益104億円(同6.7%減)とした。 営業利益は販売管理費が前年同期比10.3%増の見込みにより、減少すると予想した。

 また、同社エンジニア紹介事業のグループ会社メイテックネクストの17年3月期決算の業績は、売上高14億83百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益5億17百万円(同19.2%増)となり、営業利益率は30%強となった。2018年3月期業績予想は、売上高15億円(前年同期比1.1%増)、営業利益4億円(同22.6%減)とした。売上高は増収の見込みだが、システム経費等の増加により営業利益は減益の見込みとなった。