人材サービスのインテリジェンス(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、3月の転職求人数は前年同月比21.2%増と28カ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新した。転職希望者数は同31.4%増だった。

 求人数は前月比2.6%増、前年同月比21.2%増、転職希望者数は前月比5.9%減、前年同月比31.4%増だった。求人倍率は転職希望者数の減少により前月比0.21ポイント増加し、2.59倍となった。

 業種別にみると、求人数が増加したのは9業種のうち5業種だった。特に伸びたのは、「メーカー」(前月比5.9%増)、「メディカル」(前月比4.6%増)。

 「メーカー」では、自動車関連企業の採用が活発で、自動運転技術や車載部品の開発を担う技術者のポジションを中心に、営業や管理部門の募集も増えている。

 「メディカル」では、CSO(医薬品販売業務受託機関)でMRの採用が活発化しており、 経験者を対象に全国転勤がない営業職の募集を行っている企業も見られた。また、バイオベンチャーの求人が増えており、研究職を中心とした医療専門職の募集が増加傾向となっている。

【業種別 求人数増加率(前月比)】
メーカー  5.9%増
メディカル 4.6%増
商社・流通 3.0%増
IT・通信  2.9%増
サービス  2.0%増
その他   1.6%増
金融    0.4%減
小売・外食 0.6%減
メディア  1.8%減 職種別では、求人数が増加したのは11職種のうち「専門職」「販売・サービス系」を除く9職種だった。特に伸びたのは「技術系(化学・食品)」(前月比10.0%増)、「技術系(IT・通信)」(前月比4.7%増)だった。

 「技術系(化学・食品)」では、求人数は2カ月連続で過去最高を更新。小ロット多品種の製品開発にシフトするメーカーが増え、商品開発や研究開発のポジションで採用が活発となっている。

 「技術系(IT・通信)」では、ビッグデータを経営に活用する企業の潮流が強まっているため、ITコンサルタントやデータサイエンティストなどの求人数が伸びた。

【職種別 求人数増加率(前月比)】
技術系(化学・食品)10.0%増
技術系(IT・通信) 4.7%増
事務・アシスタント系 4.4%増
技術系(建築・土木)3.3%増
企画・管理系  3.2%増
営業系   2.9%増
技術系(電気・機械)2.5%増
技術系(メディカル)2.2%増
クリエイティブ系  0.5%増
販売・サービス系  0.2%減
専門職  6.0%減

 今後の転職市場についてインテリジェンスでは、「4月以降は新年度の中途採用人数を前年度よりも増やす予定の企業が多く、今年度も引き続き求人数はゆるやかに増えていく」と予測している。