甲府が契約 豪代表オリヴァー・ボザニッチとは何者か?

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ヴァンフォーレ甲府は21日、オーストラリア代表MFオリヴァー・ボザニッチと正式に契約したことを発表した。登録名は「オリヴァー ボザニッチ」となる。

シドニーの生まれだが、2007年にレディングのアカデミーへ入り2008年よりプロキャリアをスタートさせた。イングランド、スイスで長くプレー経験を持つ。2015年よりメルボルン・ヴィクトリーでプレーしてきたが、新天地には日本を選んだ。

ヴァンフォーレ甲府の公式ホームページを通してボザニッチは「甲府サポーターのみなさん、温かい歓迎をしてくれてありがとうございます。 ヴァンフォーレ甲府でプレーすることは、私にとって大きなチャレンジになります。チームのために頑張りたいと思いますので応援よろしくお願いします」と語っている。

2014年ワールドカップにも出場

オリヴァーの父ヴィクもまたサッカー選手であり、オリヴァーは2世選手となる。すでに結婚をしており嫁は美人さんだ。

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オーストラリアのユース代表歴を持ち、2006年のAFC U-19選手権に優勝、その後U-20、U-23代表でもプレーした。しかし、2009年のU-20ワールドカップには怪我のため出場することができなかった。

2009年にA代表初招集。ただ、初出場は2013年まで待たなければならなかった。その後、自ら「夢であった」と語る2014年のワールドカップのオーストラリア代表メンバーに選出されている。現在までに、代表cap7を記録している。

現地の報道では、2015年より3年契約を結んでいたボザニッチであったが甲府へ移籍する選択肢を決断した。Aリーグにおけるマーキープレイヤー(サラリーが高いスター選手)であり、メルボルンは他に新しいマーキープレイヤーを探さなくてはならない、と伝えている。

では、プレースタイルはどのようなものなのだろうか?

左利きのプレーメーカー

気になるプレースタイルだが、基本は左利きのプレーメーカーである。左サイド、センターとプレーでき、技術がありパスが出せる。また、ミドルシュート、フリーキックなども持ち合わせている。

ルツェルン時代のカルロス・ベルネヘル監督(当時)は「技術的に優れ、戦術眼もある。プレッシャーがかかっている状況でもタッチが正確で、パスもよい。前線では得点をとることができるし、様々なポジションでプレーできる」と語っている。

また、メルボルン・ヴィクトリーのケヴィン・マスカット監督は「オリヴァーは経験豊富で、質をクラブにもたらしてくれる」と賞賛する。

縁の下の力持ち

現在は年齢があがったこともあり、主に中盤のセンターでプレーしている。かつてはスピードも兼ね備えていたがそうした面を見せる場面は少なく、ミドルシュートは時折見せるもののキャリアを通じても得点は多くない。

オーストラリア代表のJリーグ組はこれまでマーク・ミリガン、マシュー・スピラノヴィッチといった守備の選手は一定の成果をあげているものの、攻撃的な中盤の選手に関してはやや苦戦しておりネイサン・バーンズ、ミッチ・ニコルズらはレギュラーとして活躍できていない。

ボザニッチは一見「左利きのプレーメーカー」というプレースタイルだけ切り取ると日本人でも代用ができそうに思えてしまう。しかし、ボディバランスの良さもあり体格面では身長こそ180cmないものの日本人選手との“違い”も持ち合わせている。また、熱さ、エネルギッシュさも好印象だ。

19日の日本大学との練習試合ではさっそくクロスからアシストを記録。決して派手ではないがチームの屋台骨を支える渋みを見せてくれるのではないか?と期待する。