約6割の経営者が17年度前半(4〜9月)の景気は緩やかに拡大していくと予測していることが、経済同友会が四半期ごとに実施している景気定点観測アンケート調査で分かった。

 経営者に対して景気の現状についての判断を聞いたところ、「拡大」(0.5%)、「緩やかに拡大」(55.7%)、「横ばい」(41.6%)、「緩やかに後退」(2.3%)となった。

 「緩やかに拡大」が2016年12月調査38.9%→3月調査55.7%と3期連続で増加し、「横ばい」が同57.0%→同41.6%と2期連続で減少した。

 今後6カ月の景気見通しについては、「拡大」(0.5%)、「緩やかに拡大」(64.4%)、「横ばい」(32.4%)、「緩やかに後退」(2.3%)、「後退」(0.5%)となった。

 景気が拡大していく根拠を聞いたところ、「設備投資の増加」(42.0%)、「輸出の増加」(29.2%)、「政府支出の増加」(22.6%)が多く挙がった。

 特に「設備投資の増加」は2016年12月調査29.8%から12.2ポイント増となった。

 半年後(6月末時点)の対ドル円相場の予想は「110〜115円未満」(56.8%)、株価の予想は「2万円台」(40.6%)が最も多い。

 自社の雇用状況について聞いたところ、雇用人員が「過剰」(7.2%)、「適正」(58.9%)、「不足」(34.0%)で、3人に1人の経営者が人手不足を感じている。

 非製造業は「不足」と回答した経営者の割合は、2016年12月調査の32.4%から6.9ポイント増加して39.3%、「過剰」は7.1%、「適正」は53.6%。

 製造業は「不足」が2016年12月調査の14.9%から8.3ポイント増加して23.2%、「過剰」(7.1%)、「適正」(53.6%)となった。

 自社の賃金を検討する際に重視する要素は、1位「自社の業績」(93.6%)、2位「他社の賃金相場」(46.0%)、3位「景気見通し」(26.7%)、4位「労働力の需給環境」(24.3%)となった。

 選んだ要素のうち、前年度より重視する割合が高かったのは「労働力の需給環境」で44.9%が前年度より重視すると回答した。

 年収ベースでの賃金は「前年度並みの水準とする」が26.2%と最も多く、次いで「1.0%超〜2.0%以下の上昇幅とする」(16.9%)、「2.0%超〜3.0%以下の上昇幅とする」(14.9%)となった。

 ベースアップの方針は「ベースアップはしない」が42.7%と最も多く、次いで「前年度並みのベースアップとする」(17.1%)、「大手企業等他社の労使交渉等を睨みつつ決定」(11.1%)となった。

 自社の働き方改革は「労働時間の上限管理」(65.9%)、「年次有給休暇の付与日数引上げや取得促進」(40.5%)、「出産・育児・介護などと仕事の両立を促す施策」(38.0%)などの声が多かった。

 調査は3月1日〜10日に実施し、経済同友会会員ら219人の経営者から回答を得た。