Dropboxのビジネス利用では必要不可欠な新機能「スマートシンク」とは何か?
米Dropboxは、現地時間の1月30日にDropboxの新機能「スマートシンク」を発表した。これは、2016年4月に、「Project Infinite」という名称で発表されていた機能のことだ。
発表から約8ヶ月をへて、ようやくリリースされたことになる。
今回は、その機能と使い方を紹介しよう。
●Dropboxのスマートシンクはわかりにくい機能?
「スマートシンク」は、Windows/Macのデスクトップ版Dropboxアプリケーションで利用できる機能だ。
どんな機能かというと、クラウド上にあるファイルを、あたかも"ローカルにあるかのように"利用可能にするという機能だ。
これだけ聞くと、何のこっちゃ? だと思う。
実際に、個人ユースでDropboxを利用しているユーザーには、非常にわかりにくい機能ではある。
しかし、企業でのDropboxの使われ方を考えると、スッキリと理解できる。
なお、スマートシンクは、企業向けのDropboxだけに提供され、個人向けのDropboxには提供されていない。
●共同作業するユーザーが多ければ多いほど価値を発揮するスマートシンク
企業では、部署やプロジェクト単位でファイルサーバ上に共有フォルダを作り、そこに大勢の社員が関連ファイルを保存していることが多い。
これはDropboxを利用する場合でも同じだ。
たとえば、10人のユーザーでDropboxに「販促プロジェクト」という共有フォルダを作り、関連するファイルをそれぞれ投げ込んでいるとしよう。
すると、デスクトップ版Dropboxアプリですべてのファイルをクラウドと同期していると、「販促プロジェクト」フォルダには、自分も含めて10人の投げ込んだファイルが次々とたまっていくことになる。これは、ディスク容量の小さいパソコンを使っているユーザーにとっては、かなり厳しい。
あっという間にディスクが消費されて、使っているPCのストレージは満杯になってしまうだろう。
そこで登場したのが「スマートシンク」だ。
スマートシンクは、自分が「販促プロジェクト」フォルダに保存したファイルは、ローカル/クラウドの両方に持つ。しかし、自分以外のユーザーが「販促プロジェクト」フォルダに保存したファイルは、クラウドだけに保存されるのだ。
そして、ローカル(自分のPC上)にはファイル名やファイルサイズ、サムネイルなどの最小限の情報だけが保存されるのである。
このため、エクスプローラでローカルの「販促プロジェクト」フォルダを見ると、すべてのファイルがちゃんと存在しているように見える。
そして、ファイルをダブルクリックしてアプリケーションに読み込んだり、ファイルをコピーしたりするときだけ、自動的にクラウドからローカルにファイルがダウンロードされて、処理が行われる仕組みになっている。
したがって、1人〜数人でDropboxを利用している場合は、スマートシンクにそれほどありがたみはない。しかし、Dropboxで共同作業するユーザーが増えれば増えるほど、スマートシンクは、なくてはならない機能になるのである。
●スマートシンクの使い方と新しいビジネス向けプラン
スマートシンクは、Windows/Macで最新のデスクトップ版Dropboxアプリをインストールすれば、自動的に使えるようになる。
エクスプローラ上では、クラウドだけに存在するフォルダ・ファイルは、アイコンに雲のマークが付いて区別される。
フォルダ・ファイルを右クリックし、[スマートシンク]を選択すれば、フォルダ・ファイルを個別設定することも可能だ。[ローカル]だとクラウド/ローカルの両方に保存され、[オンラインのみ]だとクラウドだけに保存されるようになる。
また、管理者および個々のユーザーは、スマートシンクの初期動作として、クラウド/ローカルの両方に保存するか、クラウドだけに保存するかを設定することもできる。
エクスプローラでDropbox上のフォルダ・ファイルを表示すると、緑のチェックマーク付きのものと、雲のアイコン付きのものがある。緑のチェックマーク付きはクラウド/ローカルの両方に存在され、雲のアイコン付きのものはクラウドにのみ存在されている。
フォルダ・ファイルを右クリックして[スマートシンク]を選択すれば、クラウド/ローカルの両方に保存するか、クラウドだけに保存するかを選択できる。
デスクトップ版アプリの設定画面でスマートシンクの動作を設定できる。
管理者はメンバー全員のスマートシンクの初期動作を設定することもできる。
なお、スマートシンクのリリースとともに、ビジネス向けのDropboxは画面デザインが一新され、プランも次の3つに拡充されている。プランごとの機能の違いについては、記事末のリンクを参照してほしい。
Standard……1ユーザーあたり¥1250/月
Advanced……1ユーザーあたり¥2,000/月
Enterprise……個別に問い合わせ
・企業向けDropboxのプラン
井上健語(フリーランスライター)
発表から約8ヶ月をへて、ようやくリリースされたことになる。
今回は、その機能と使い方を紹介しよう。
●Dropboxのスマートシンクはわかりにくい機能?
「スマートシンク」は、Windows/Macのデスクトップ版Dropboxアプリケーションで利用できる機能だ。
どんな機能かというと、クラウド上にあるファイルを、あたかも"ローカルにあるかのように"利用可能にするという機能だ。
これだけ聞くと、何のこっちゃ? だと思う。
実際に、個人ユースでDropboxを利用しているユーザーには、非常にわかりにくい機能ではある。
しかし、企業でのDropboxの使われ方を考えると、スッキリと理解できる。
なお、スマートシンクは、企業向けのDropboxだけに提供され、個人向けのDropboxには提供されていない。
●共同作業するユーザーが多ければ多いほど価値を発揮するスマートシンク
企業では、部署やプロジェクト単位でファイルサーバ上に共有フォルダを作り、そこに大勢の社員が関連ファイルを保存していることが多い。
これはDropboxを利用する場合でも同じだ。
たとえば、10人のユーザーでDropboxに「販促プロジェクト」という共有フォルダを作り、関連するファイルをそれぞれ投げ込んでいるとしよう。
すると、デスクトップ版Dropboxアプリですべてのファイルをクラウドと同期していると、「販促プロジェクト」フォルダには、自分も含めて10人の投げ込んだファイルが次々とたまっていくことになる。これは、ディスク容量の小さいパソコンを使っているユーザーにとっては、かなり厳しい。
あっという間にディスクが消費されて、使っているPCのストレージは満杯になってしまうだろう。
そこで登場したのが「スマートシンク」だ。
スマートシンクは、自分が「販促プロジェクト」フォルダに保存したファイルは、ローカル/クラウドの両方に持つ。しかし、自分以外のユーザーが「販促プロジェクト」フォルダに保存したファイルは、クラウドだけに保存されるのだ。
そして、ローカル(自分のPC上)にはファイル名やファイルサイズ、サムネイルなどの最小限の情報だけが保存されるのである。
このため、エクスプローラでローカルの「販促プロジェクト」フォルダを見ると、すべてのファイルがちゃんと存在しているように見える。
そして、ファイルをダブルクリックしてアプリケーションに読み込んだり、ファイルをコピーしたりするときだけ、自動的にクラウドからローカルにファイルがダウンロードされて、処理が行われる仕組みになっている。
したがって、1人〜数人でDropboxを利用している場合は、スマートシンクにそれほどありがたみはない。しかし、Dropboxで共同作業するユーザーが増えれば増えるほど、スマートシンクは、なくてはならない機能になるのである。
●スマートシンクの使い方と新しいビジネス向けプラン
スマートシンクは、Windows/Macで最新のデスクトップ版Dropboxアプリをインストールすれば、自動的に使えるようになる。
エクスプローラ上では、クラウドだけに存在するフォルダ・ファイルは、アイコンに雲のマークが付いて区別される。
フォルダ・ファイルを右クリックし、[スマートシンク]を選択すれば、フォルダ・ファイルを個別設定することも可能だ。[ローカル]だとクラウド/ローカルの両方に保存され、[オンラインのみ]だとクラウドだけに保存されるようになる。
また、管理者および個々のユーザーは、スマートシンクの初期動作として、クラウド/ローカルの両方に保存するか、クラウドだけに保存するかを設定することもできる。
エクスプローラでDropbox上のフォルダ・ファイルを表示すると、緑のチェックマーク付きのものと、雲のアイコン付きのものがある。緑のチェックマーク付きはクラウド/ローカルの両方に存在され、雲のアイコン付きのものはクラウドにのみ存在されている。
フォルダ・ファイルを右クリックして[スマートシンク]を選択すれば、クラウド/ローカルの両方に保存するか、クラウドだけに保存するかを選択できる。
デスクトップ版アプリの設定画面でスマートシンクの動作を設定できる。
管理者はメンバー全員のスマートシンクの初期動作を設定することもできる。
なお、スマートシンクのリリースとともに、ビジネス向けのDropboxは画面デザインが一新され、プランも次の3つに拡充されている。プランごとの機能の違いについては、記事末のリンクを参照してほしい。
Standard……1ユーザーあたり¥1250/月
Advanced……1ユーザーあたり¥2,000/月
Enterprise……個別に問い合わせ
・企業向けDropboxのプラン
井上健語(フリーランスライター)