晴れた日はとにかくアレ浴びて！この時期多い「季節性うつ」の対処法
秋をとばして一気に冬がやってきたのかと思うくらい、ここ最近は急に寒くなりましたよね。暗くなる時間が早くなり、気分が落ち気味になっている人もいるのではないでしょうか。
実は、うつ病すべてではありませんが、ある特定の季節に発病、あるいは症状が悪化しやすいうつ病というものがあります。そして、今がまさに、季節性のうつが発症・進行しやすいシーズンと言われています。
そこで今回は、心理カウンセラーでもあり気象予報士の資格も持つ筆者が季節性うつの特徴をご紹介します。
■通常のうつ症状とは真逆の症状が特徴
通常のうつは、一般的に食欲の減退や不眠が症状として現れますが、季節性うつは、それらとは真逆の症状が現れるのが特徴です。食欲が増して特に炭水化物や甘いものばかりを偏食するようになり、体重も増加しがちに。
季節的に寒くなると朝は布団から出づらくなることもありますが、極端に睡眠時間が長くなったり極端に目覚めが悪くなる……。しっかりと寝ても寝足りない、常に眠気を感じるようになります。もちろん通常のうつと同じような、気分が落ち込む、集中力の低下、無気力感といった症状もそれらと併せて現れます。
■ポイントは日照時間
季節性うつは、日照時間が短い地域で多いとされています。気圧配置的にいえば冬は中国地方から北日本にかけての日本海側は雲がかかりやすく、日照時間が短くなります。
日照時間は、メラトニンの分泌リズムと関係し、そのメラトニンはうつ病に影響を与えるセロトニンと深い関係にあります。日に当たる時間が短くなると、両者がともに分泌のバランスを崩してしまい、うつが引き起ります。
対策としては、まず日を浴びること。晴れた日は寒くても積極的に外に出て日を浴びることが大切です。
■光療法という治療がある
そのため、季節性うつの治療として、高照度光療法という医療法があります。これは、専用の照明器具で光を浴びるという治療法で、セロトニンの量を増やして脳を活性化したり、ホルモンの分泌や体温のリズムを調整して症状を回復させるというものです。季節性うつの治療では第一選択とされています。
ちなみに、医療機関で治療を受けるのが一般的ですが、通院をせずとも今ではネットで専用器具も販売されてますので、自宅で気軽に行うこともできます。
■人も動物である
当たり前ですが私たち人間は動物です。自然界の動物たちに目をやると分かりますが、動物は越冬のために沢山食べて脂肪を蓄え、エネルギーの消費を防ぐために冬眠をします。人も動物である限り同じなのですが、現代社会ではそのような生物学的リズムを優先して過ごすわけにもいきません。気候に対して自らを変えて対応をしていく働きを「気候順応」といいます。時期や場所など特定の環境下で適応や順応がうまくいかない人は不調をきたしてしまうのです。
いかがでしたか？ 季節性うつの特徴を紹介しましたが、季節性うつは暖かくなると（春になると）自然に回復することがほとんどなので、放置をしてしまいがちです。しかし思い当たる症状があれば重くしないためにも、早めに専門医に相談をするようにしましょう。
【筆者略歴】
※ 大間秀章・・・心理カウンセラー＆コラムニスト。企業や大学を対象に専任カウンセラーとして従事する傍ら、執筆活動も行う。専門分野は人間関係、恋愛、キャリア、メンタルヘルス、人生論など。Twitter
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