毒を持って毒を制す!? 最近よく聞く「ホメオパシー」を正しく知ろう
ことだまこまちのコトダマ！
「ホメオパシー」という言葉、最近何かと話題になっていますね。
そんな中でも先日、「幼児向け薬、米で10人死亡、400人健康被害か ホメオパシーでFDA調査」という衝撃的なニュースを目にしました。
ホメオパシーという言葉の響きって何となく「自然科学的」イメージがあると思いますが、現実にはこのような死亡事故につながる恐れのある注意すべきものなんですね。
そこで、多くの皆さんに理解していただけるよう、薬剤師としての専門的見地で、“ホメオパシーについて”と“10人死亡で調査中の薬”についてまとめます。
■そもそもホメオパシーって何？
起源は今から200年ほど前にドイツの医師が確立した、自己治癒力を利用する同種療法です。
“健康な人間に投与するとある症状を起こせるものは、似た症状を持つ病気を癒すことができる”ということなんですが、わかりやすく言えば“毒を以て毒を制す”ということです。
薬物乱用で問題となっている“大麻”も海外では“医療大麻”として使われることもあります。
考え方としてはホメオパシーの考え方に合致していますね。
■米で10人が死亡したとされるホメオパシー薬とは？
実際にアメリカでFDA（米食品医薬品局）が調査しているホメオパシー薬は“ベビー ティーシングジェル（歯の生え始めの痛みを和らげる幼児用の薬）”といいます。
薬といっても日本では“医薬品の扱いではない”ため、通販で購入が可能です。
しかし、薬剤師の視点から「それは入れちゃダメでしょ！」という植物“ベラドンナ”が配合されています。日本では配合なんてまず考えられない医薬品成分ですね。
症状としては全身の至る所に多くの症状が出てきますが、大量摂取をすると“全身まひ、呼吸困難”などの症状で大変苦しんでしまう例も報告されています。
ホメオパシーについて分かっていただけましたでしょうか？
使用されるものは「毒を以て毒を制す」ものばかり。使用する場合には薬剤師に相談することを忘れないでくださいね！
【参考】
※ 幼児向け薬、米で10人死亡、400人健康被害か 「ホメオパシー」でFDA調査 - 産經ニュース
【画像】
※Image Point Fr / shutterstock
