コンドームだけじゃ危険!? 彼と一緒に勉強したい【梅毒】のヤバ度
梅毒……。聞いたことはあるけれど、あまり気にする事もないままこれまで過ごしてきた人も多いかと思います。
しかし、日本では1987年のピーク（報告数2,928件）から500件〜900件程と減少していたものの、2013年には1,200件を超え、2014年は1,671件、2015年は2,698件とその罹患者数は増加傾向にあり、更に女性患者が異常な増加を見せています。
そんな梅毒は、感染症であるため、自分が気を付けていれば防ぐことが可能な病気でもあります。そこで、今回は予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、性感染症のひとつである梅毒についてご紹介します。
■1：梅毒ってどんな病気？
梅毒は、梅毒トレポネーマという菌に感染することで発症する感染症の一種です。コンドームを使わずに性交渉をしたり、オーラルセックスでも感染するほど感染力は強いとされています。その感染力の強さは、たった1回の性交渉でも感染するほどです。
■2：梅毒に感染したらどうなる？
梅毒トレポネーマに感染してもすぐに症状が現れるわけではなく、約3週間ほどの潜伏期間ののち、感染した場所にしこりが出来たり、その近くのリンパ節が腫れたりしますが痛みやかゆみといった自覚症状はありません。そして、そのしこりや腫れも3週間程度で消えてしまいます。これが第一期。
しかし、症状はいったん消えても菌は血液の中に入り込み、全身を巡り1か月から2か月前後の潜伏期間を経て、今度は全身に赤いバラのような“薔薇疹”と呼ばれる発疹ができ、この時初めて発熱や倦怠感を感じる人もいます。これが第二期。
第二期でも治療をしなくても数週間から長くても数か月後には薔薇疹は消えてしまいます。そして、その後は10年から30年とう長い潜伏期間に入ります。第3期に入ると皮膚や筋肉、骨などに“ゴム種”と呼ばれる弾力性のある腫瘍ができたり、血管や心臓、脳などさまざまな臓器に病気が起こるため死に至ることもあります。
また、妊娠中に梅毒に感染したり、梅毒に感染している人が妊娠したりすると、胎盤と通して胎児に感染して早産や死産、奇形が起こる可能性も指摘されています。
■3：放置は厳禁！おかしいと思ったら早期の受診を
梅毒の感染が明確になれば抗菌剤の服用で治すことができる感染症です。おかしいと思ったらすぐに受診をしましょう。そして、SNSの普及とともに増加しているとも言われている梅毒ですから、安易な性交渉を控え望まない妊娠や感染をしないためにも、コンドームの使用は必須と考えた方がいいでしょう。
“当たり前のことを当たり前に”の徹底を常に意識していくことが大切でしょう。ただし、前述のとおり、オーラルセックスでも感染するリスクがあるということも忘れてはいけません。
【参考】
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
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※ Dari Ya / shutterstock
