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燃料を用いるエンジンの代わりに、電気で駆動するモーターで空を飛ぶ電気飛行機と、エンジンとモーターを組みせたハイブリッド飛行機の実現に向けた研究開発が進んでいます。そんな中、ドイツの企業・Siemens(シーメンス)は従来よりも飛躍的に高い効率を備えた航空機用電気モーターを搭載した飛行機のテスト飛行に成功しています。

Siemens Showcases Brand-New Electric Motor That’s Super Light, Super Powerful, And Perfect For Electric Airplanes | Transport Evolved

https://transportevolved.com/2016/07/08/siemens-showcases-brand-new-electric-motor-thats-super-light-super-powerful-and-perfect-for-electric-airplanes/

2016年7月11日(月)、電気モーターによる初飛行に成功した「EA-300LE」と名付けられたテスト機。この機体は、ドイツの航空機メーカー「エクストラ」のスポーツ航空機「EA-300」からエンジンを降ろし、シーメンスのモーターに載せ替えたものです。ちなみに、「レッドブル・エアレース」で日本人パイロットの室屋選手が乗る機体「300L」は兄弟機。



搭載されるモーターはこの小ささで、自動車のタイヤと同じぐらいのサイズ感。重量50kgの本体から260キロワットの出力を得ることができるモーターで、出力を重量で割った1kgあたりの出力キロワット数「出力重量比(パワーウェイトレシオ)」は約5.2kW/kg。これは従来の電気モーターのおよそ5倍に相当することからも、その性能の高さを垣間見ることができます。



なお、このモーターに関しては2015年4月にGIGAZINEでも記事化済み。詳細な性能は以下の記事で触れられています。

世界初の「ハイブリッド飛行機」を可能にする飛行機用モーターの開発が進行中、2015年には新たな実機テストも実施予定 - GIGAZINE



そんなEA-300LEが実際に飛んでいる様子が、以下のムービーに収められています。

Electric aircraft: World-record electric motor makes first flight. - YouTube

EA-300LEは2人乗りのスポーツ機。今回はテスト飛行と言うことでパイロットのみの搭乗ですが、よく見れば前座には何やら機材が搭載されている模様。



開発を率いるシーメンスのフランク・アントン博士は「世界は電気化が進んでいますが、これは海と陸に限ったことではなく、空にも言えます」と語ります。



出力を上げ、空に飛び立つEA-300LE。搭載されたモーターは、4人乗りの飛行機を飛ばすことも可能な出力を備えていることから、軽量小型機をベースにする機体に対し、パワー不足の様子はまったく感じられません。



安定した飛行の様子。オリジナルとなったEA-300型機は、金属とカーボンファイバーの複合素材を用いた機体とのこと。



大きなバンク角をつけて旋回するパイロット。コンパクトな機体にハイパワーモーターを搭載するということで、この機体はレース機クラスの運動性能を備えているそうです。



初飛行を終え、無事に着陸するEA-300LE。この機体は、今後の開発におけるテストベッドとしてさまざまな試験が行われることになりそう。



ガッチリ握手するアントン博士とパイロット。



普通ならば大きなエンジンが搭載されるエンジンルームには、非常に小さなモーターとバッテリーが詰め込まれていました。



今回のフライトはバッテリーから電力が供給されたようですが、今後もっとも期待されているのが、発電用のエンジンと駆動用のモーターを併用するハイブリッド型の電気飛行機とのこと。この仕組みを搭載する100人乗り程度の小型旅客機を2030年ごろに実用化することを目指して、今後の開発が進められることになるようです。