「京都鉄道博物館」誕生、その魅力とは 本州JR3社の博物館出そろう
JR西日本の「京都鉄道博物館」が2016年4月29日、オープンしました。これにより、本州のJR3社が手がける大規模博物館が出そろいましたが、「京都」にはどのような特徴があるのでしょうか。鉄道を楽しみつつ、「京都らしさ」も味わえそうです。
「鉄分の多いレストラン」
2016年4月29日(金・祝)、JR西日本が新たな鉄道系博物館をオープンさせました。京都駅から徒歩20分ほどの場所にある「京都鉄道博物館」です。
これにより、「鉄道博物館」(JR東日本・さいたま市・2007年開館)、「リニア・鉄道館」(JR東海・名古屋市・2011年開館)、そして今回の「京都鉄道博物館」と、本州のJR3社が手がける大規模な博物館が出そろいました。
個々に魅力を持つ各博物館。そのうち、「京都鉄道博物館の魅力」としてまず挙げられるのが「優れた眺望」です。3階にある「スカイテラス」からは東海道本線(JR京都線)、山陰本線(嵯峨野線)、東海道新幹線と多くの線路が見渡せ、「普通」や「新快速」、関空特急「はるか」、運が良ければ「新幹線のお医者さん」とも呼ばれる「ドクターイエロー」など様々な列車を、まるで「鉄道模型ジオラマ」のように眺めることができます。
そして、この「スカイテラス」をより面白くしているのが、列車の運行状況をリアルタイムで表示するモニタの存在です。「もうすぐ「はるか」が来るよ!」といった親子の会話が、きっと多く聞こえることでしょう。
また、「京都鉄道博物館」では本物の蒸気機関車を使った「SLスチーム号」を運行しているほか、車庫(梅小路運転区)に隣接しているため、天に昇る煙やその音、停車している色々な車両が、さらに彩り豊かな眺望にしてくれます。背景に「京都タワー」、世界遺産である東寺の「五重の塔」がそびえ、「京都らしい風景」であるのも大きなポイントです。
2階にあるレストランからも、そうした「スカイテラス」と同様の風景を食事をしながら楽しむことが可能。ちなみに、そのメニューは「ドクターイエローオムライス」(1000円)や「京都駅0番線ピッツァ」(480円)、「キハ81形ブルドッグパンケーキ」(650円)といった内容で、「鉄分の多いレストラン」になっています。
透明自動改札機、線路を走る自転車、体験できます
「京都鉄道博物館の魅力」として、「体験できる多様な展示」も挙げられます。
たとえば自動改札機。身近な存在ですが、その内部で投入されたきっぷがどのように処理されているのか、知っている人は少ないでしょう。「京都鉄道博物館」には内部が透けて見える自動改札機が用意されており、自分の入れたきっぷがめまぐるしく機械のなかを駆け抜ける姿を見ることができます。また、駅にある「みどりの窓口」のように、きっぷを発券することも可能です。
鉄道では、線路上を電気モーターやディーゼルエンジンの力ではなく、ペダルをこぎ、人力で走る車両も使われています。線路の点検などに用いる「軌道自転車」というものです。これについても実際に走らせられるほか、シミュレータを使った電車の運転や、列車の運行を制御する「指令所」の仕事なども体験可能。「自動改札機」のような知っているようで知らないものから、「指令所」といった知る人ぞ知る世界まで、見て触って「なるほど」と思えるようになっています。
下に敷いた風船状のものを空気で膨らませ、寝ているほかの人に迷惑をかけずに起きられる、乗務員たちが使用する目覚まし時計も展示されています。これについては基本的に体験できないものの、イベントなどでそうした機会をつくることも考えているそうです。
「京都鉄道博物館」が日本一のもの
「京都鉄道博物館」は、2015年8月まで同地にあった「梅小路蒸気機関車館」と、2014年4月に閉館した「交通科学博物館」(大阪市港区)を統合、発展させる形で誕生しました。そのため、「蒸気機関車」について“日本一”としていいほど充実しているのが大きな魅力です。
その「魅力」は、単に「多くの蒸気機関車がある」だけでないのがポイント。先述のように「SLスチーム号」という、かつて実際の営業運転に用いられた蒸気機関車を使う「SL体験列車」が運行されており、「『本物の蒸気機関車』に乗って楽しむ」という鉄道系博物館でも珍しい体験ができます。
また隣接する梅小路運転区に設けられたSL専用の検修庫、そこで行われている整備作業を博物館側から見学できるのも特徴です。
JR西日本は「近代日本の産業遺産」である蒸気機関車の保存、継承を「社会的使命」と考え、この検修庫を「日本のSL動態保存(動く状態で保存すること)の拠点」にするとしています。
この検修庫で、整備のため分解されているSLが見られること、博物館で「SL整備」という「鉄道の現場」に触れられること、それぞれレアなものですが、親子で訪れる機会も多い博物館で、未来に向け行われている作業に立ち会えること、それにもまた意味があるかもしれません。
「京都鉄道博物館」の開館時間は10時から17時30分ですが、5月8日(日)までは9時から18時30分に拡大されます(どちらも入館は17時まで)。毎週水曜(祝日開館)と年末年始が休館で、料金は一般1200円、大学生・高校生1000円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円です(「SLスチーム号」は別料金)。
訪問の注意点として、駐車場がないこと、そして特に開館当初は混雑が予想されることが挙げられます。ゴールデンウイーク中の開館ということもあり、JR西日本は絶対に事故が起きぬよう注意しているといいますが、見学には余裕を持って訪れることが大切でしょう。また、前売り券をセブン-イレブンや駅「みどりの窓口」で購入しておくと当日、並ばずに入館できます。

