フランス革命や産業革命など、今日において「革命」と呼ばれる出来事に共通するのは物事の根本的な変化だが、中国メディアの網易はこのほど、中国の小学校に「トイレ革命」が必要だと主張している。(イメージ写真提供:123RF)

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 フランス革命や産業革命など、今日において「革命」と呼ばれる出来事に共通するのは物事の根本的な変化だが、中国メディアの網易はこのほど、中国の小学校に「トイレ革命」が必要だと主張している。

 広東省広州市でこのほど2人の小学生が、学校のトイレの臭いが「あまりにもひどい」として校長に改善を訴えたことが話題になった。広州市の教育局は小学生の訴えを受けて、広州市にある2500の学校のトイレを2年間で新改築する意向を表明、また学校側にトイレットペーパー、手を洗う設備、ハンドソープ、手を乾かす設備を設けるよう要求した。

 広州市教育局の反応から推察するに、トイレに関する問題は前出の2人の小学生が通う学校だけの問題ではなく、中国は街の公衆トイレのみならず、学校のトイレ環境も大きな改善が必要であることがわかる。しかし記事が「改善」という表現を用いずに「トイレ革命」が必要だと表現したのはなぜだろうか。

 記事は日本のトイレ環境を紹介している。日本には食事を共にする友人がいないことを隠すために、トイレの個室内で1人で食事をする「便所飯」というスラングがあるが、これは「日本のトイレがどれほど清潔かをはっきり物語っている」と記事は指摘。こうした事例を取り上げることによって、中途半端な取り組み方では中国のトイレ環境は改善しないことを訴えようとしているのだろう。

 さらに記事はある外資企業の関係者の見解を紹介。同関係者は「会社のトイレの清潔さは製品のクオリティの高さを反映する」と主張している。また、一部の分析によれば、整理・整頓・清掃・清潔・躾の社内5S活動は、クオリティの高い製品と密接な関係がある。トイレの清潔さはそれを使用する人の精神面や行動と大きな相関関係があると言える。

 記事が主張しているとおり、中国のトイレ環境に求められているのは改善ではなく革命だ。中国では学校や飲食店、観光地など、不特定多数の人が使用する公共のトイレはお世辞にも衛生的とは言えない状況だ。広州市内の子どもたちからトイレの改善を求める声があがったことで、中国のトイレに革命が本当に訪れるのか、期待して見守りたい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)