英国、ジュースに「砂糖税」を導入

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英国は、砂糖を加えたソフトドリンクに砂糖税を課すことを明らかにした。税収は学校でのスポーツ活動拡充に使われる。

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英国の財務相ジョージ・オズボーンは、砂糖を加えたソフトドリンクのメーカーに対し、「砂糖税」を課すと発表した。

財務相が3月16日(現地時間)に発表した予算案では、砂糖税導入最初の年に5億2,000万ポンド(約840億円)の税収を見込んでいる。

税金は、砂糖を加えたソフトドリンクのメーカー及び輸入者すべてに課せられる。税率は含まれる砂糖の分量によって異なり、1Lあたり18〜24ペンス(29円から38円)が徴収される見込み。メーカーが砂糖の量を減らしていくにつれ、税収も減る予定だ。

政府の説明によれば、この税金は「販売する飲み物に加える砂糖の量を減らすことで、企業に変革を促すものだ」という。メーカーがやり方を改めれば、支払う税金は減るのだ。

炭酸飲料「アイアン・ブルー」(Irn-Bru)を製造するスコットランドのAGバール(AG Barr)社の株価は、この発表後すぐに5.4パーセント下落した。

オズボーン財務相は、この税に関してこう語っている。「将来、議会で働いていた自分を振り返ったときに、自分の子どもたちの世代に対して、『申し訳ない。砂糖を加えた飲料には問題があって、病気の原因になると知っていたけれど、難しい問題だから見ないふりをして何もしなかった』と言い訳したくないのです」

新しい税による税収は、学校でのスポーツ活動を拡充するために使われる予定だ。

イングランドでの税収は、現在年間1億6,000万ポンド(258億円)の小学校体育教育及びスポーツ報奨金を、2017年9月から2億2,000万ポンドに倍増するために使われる。

これにより、小学校の設備を改善し、幅広い充実した体育の授業を行うことができるという。スポーツに重点を置いた放課後のクラブ活動を立ち上げたり、改善したりすることも可能だ。

また、中等学校の25パーセントを対象に、年間2億8,500万ポンドを上限として、授業時間を延長して活動の機会を増やす。延長した時間で学校側は、スポーツを含むより幅広いアクティヴィティを提供することができる。

さらに年間1,000万ポンド(16億円)が割り当てられ、2017年9月から、最大1,600校で朝食クラブ(学校で朝食を提供する活動)が拡大される。

※ メキシコでは2014年1月、米国バークレーでは2015年からソーダ税を導入している。厚生労働省の有識者会議も2015年6月、砂糖への課税強化を求めることなどを盛り込んだ提言書をまとめている

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