マリナーズ・岩隈久志【写真:田口有史】

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マリナーズがレイズと3対3トレード、右腕カーンズら獲得

 マリナーズがレイズとの3対3の大型トレードで先発右腕ネイサン・カーンズ投手らを補強した。地元紙「タコマ・ニューストリビューン」が「マリナーズがレイズにミラー、モリソン、ファーカーをトレードで放出」と特集している。

 マリナーズは万能型野手のブラッド・ミラー、ローガン・モリソン一塁手、抑えのダニー・ファーカー投手を放出。代わりに右腕カーンズに加え、抑え左腕のCJリーフェンハウザー投手と、マイナー所属のブーグ・パウウェル外野手の獲得を発表した。

 カーンズはルーキーシーズンの今季26試合に先発し、7勝5敗で防御率3・67と好成績を収めた。9月8日を最後に前腕部の故障で登板していない。

 昨季途中から就任した新GMジェリー・ディポト氏は「これはいいトレードだ。相手も必要性を補い、我々も必要性を補った。みんな幸せだ」とウィン・ウィンのトレードであると語り、カーンズが来季先発ローテーションに入りする即戦力と力説している。

 カーンズは「僕はワクワクしている。まだ実感は湧いてこない。チーム(レイズ)にとっては必要なトレードだったみたいだ。僕を放出することがベストの選択だと感じたのだろう」と語ったという。

マリナーズGM「クマを戻したいという我々の情熱に何ら変化はない」

 マリナーズの今季の先発ローテーションはキングことエース右腕、フェリックス・ヘルナンデス投手を筆頭に、岩隈、ジェームス・パクストン投手、タイジュワン・ウォーカー投手、ロエニス・エリアス投手。ここにカーンズが加わることになった。

 一方で今季限りで契約満了となり、今季限りでフリーエージェントとなる岩隈久志投手とマリナーズは相思相愛と報じられているが、来季についてはいまだ合意に至っていない。岩隈が流出時にカーンズの存在は“保険”となる可能性があるが、ディポトGMはカーンズ獲得が岩隈との契約交渉との関連性はないと強調する。

「先発ローテーションはこれで完成したとは思っていない。これは必要を埋めただけだ。クマを戻したいという我々の情熱に何ら変化はない」と説明。そして、現地時間6日(日本時間7日)に今季契約満了となる岩隈との独占交渉期間が終了となるために、同GMは「我々はおそらく提示することになりそうだ」とクオリファイング・オファー(QO、今年は1年1580万ドル)を出す方針を示したという。

 記事では複数年契約を求める岩隈が「このオファーを固辞することが予想される」としながらも、マリナーズは岩隈との契約交渉を継続することができる。QOを提示したことで、他球団が岩隈を獲得する場合、マリナーズは右腕と引き換えにドラフト指名権を手にすることが可能となる。岩隈とマリナーズとの契約交渉の決着はまだ先のようだ。