最悪のプロフェッショナルサービス/泉本 行志
ある会計士に申告書類の作成と提出の依頼をしました。
期限が迫っていたので、必要となる情報を急いで取りまとめて
その会計士に送付すると、
「これから申告書の作成を開始します。質問があれば連絡します。」
と連絡がありました。 ここまではいい感じで、安心していました。
ところが申告書の提出期限の日が迫ってきても、何の連絡も来ないので、
心配になってメールで問い合わせました。
すると、
「現在書類を作成中です。」
「期限が近づいてますけど、大丈夫ですか?」
と返信すると
「大丈夫です」
というまたまた一行返事。
友達とチャットしてるんじゃないんだから、
もう少し丁寧に書けよ!と思いながら、
そこは我慢。
そして、とうとう期限が過ぎても連絡がないので、
「提出した書類のコピーを送ってください」
と依頼すると、
「実は特例があって、提出期限はまだ先で、大丈夫です」
とまた一行返事。
自分でも調べてみると、確かに特例があり期限の猶予はまだある。
「それだったら、最初から言ってくれよ」と思いつつ、
「必要な情報は、2週間以上前にお渡ししてるのだから、
期限ギリギリまで待たずに、早く提出してください。こちらも安心したいので。
いつ提出して頂けるかお知らせください。」
と依頼するも、、そのあとも同じような無駄なやり取りを
うだうだと何度も繰り返し、
客である私が進捗管理をする羽目になりました。
向こうからすれば、うるさい客だな。
こっちでちゃんとやるから黙ってろ!
とおそらく思っていたかと思います。
もし最初から、
「必要情報を頂きましてので、こちらで書類を作成し、
○○月○○日までに提出します。提出が完了したら、
提出した書類のコピーを送付しご連絡します」
くらいの説明があれば、そのスケジュール通りに進んでいる限り、
お互いにストレスを感じることなく、何の問題もなかったはず。
これはこの会計士だけの話でなく、
コンサルタントでも誰でも、プロフェッショナルサービスを
提供している人すべてに当てはまると思います。
依頼先から質問されてはじめて、
今後の進め方・プロセス、期限などを説明するのでは遅すぎです。
その時点で、プロフェッショナル失格。
社内でのやり取りでも同じです。
上司などから仕事の依頼をされたとき、
特に期限を指定されなかったとき、
「ラッキー!」と流してしまうのではなく、
「こんな感じで進めるので、○○日くらいに一度報告します」
と、自分からプロセスと期限を提案した方がいい。
期限がないから「ラッキー!」とノロノロやっているときに限って、
ぎりぎりのタイミングになって、
「そういえば、あの件どうなってる?」
と言われ、慌ててやるはめになったりします。
そんな質問された時点で負けです。
請け負った仕事のプロセスと期限を自分から提示する
依頼者から質問されてからでは遅い。
プロフェッショナルとして、心掛けたいことです。