「勝利の方程式」に異変!? ヤクルト僅差首位も、直面する「1番厳しい時期」
勝率3毛差で首位に立ったヤクルトだが、助っ人トリオが続けて崩れる異変も
8月2日の阪神戦(甲子園)で5−0と快勝し、2位の巨人を勝率3毛差で上回って、首位に立ったヤクルト。5位のDeNAまでわずか4・5差と大混戦なのは変わらないが、昨年まで2年連続最下位だったチームが堂々と優勝争いを繰り広げている。
その原動力となっているのは圧倒的な攻撃力。山田哲人が本塁打、川端慎吾が打率、そして畠山和洋が打点でリーグトップ。この3人を中心とした打線はリーグで頭一つ抜けており、バレンティンの不在を感じさせない。
だが、打線は昨年もリーグNO1のチーム打率2割7分9厘をマークしており、想定内とは言えなくもない。うれしい誤算だったのは、ロマン、オンドルセク、バーネットの外国人トリオで形成する「勝利の方程式」だろう。
ここまでオンドルセクがリーグ最多の49試合に登板し、4勝2敗、防御率2.77をマーク。ロマンも46試合に登板し、2勝1敗、防御率1・67を記録している。さらに、守護神のバーネットはリーグ2位の27セーブと抜群の安定感を誇る。真中監督も「あの3人がいるのが大きい。何とか6回まで先発が抑えてくれれば、勝てるという意識がチームにある」と全幅の信頼を寄せる。
しかし、その「勝利の方程式」に異変が起きつつある。
「投手陣にとっては今が1番厳しい時期」、その要因は…
7月30日の広島戦(神宮)では8回から登板したオンドルセクが3失点を許し、逆転負け。翌31日の阪神戦(甲子園)では8回から登板したロマンが同じく3失点を喫し、敗戦投手となった。
高津投手コーチは「2日続けて、2人(オンドルセクとロマン)がやられたけど、文句を言うつもりはない。これからも同じように(勝利の方程式として)投げてもらうつもり」と変わらぬ信頼を強調した。だが、47試合に登板している秋吉亮も含め、中継ぎ陣が登板過多で疲弊しているのは明らか。後半戦は9勝3敗と一見、好調のように見えるが、野村克則バッテリーコーチは「投手陣にとっては今が1番厳しい時期」と話す。
原因は先発陣の弱さにある。今季ここまでの96試合で完投したのは、石川雅規が4月25日の巨人戦(神宮)で完封した1試合だけ。先発が5回前後で交代することが多く、規定投球回に達しているのは、小川泰弘だけだ。
また、開幕序盤から接戦の試合が多く、リリーフ陣には見えない蓄積疲労がたまっていた。指揮官も「やっぱり、先発がもう少し長いイニングを投げてくれないと厳しい」と指摘する。
8月は屋内球場でのゲームが3試合しかないヤクルト
単純に暑さのハンデもある。7月は21試合のうち17試合が屋外球場だった。さらに8月は26試合中、屋内での試合はわずか3試合。中日が26試合中20試合を屋内球場で戦えるのとは、雲泥の差だ。屋外の神宮球場を本拠地とする宿命ではあるが、より疲労がたまりやすくなる。今は好調な打線が投手陣をカバーできているが、バットの調子が下降してきたときに一気にチームが崩れる可能性も秘めている。
そんな状況を改善するには、やはり先発陣が奮起するしかない。
光明はある。右肘靱帯再建手術から復活した館山昌平が中10日とはいえ、先発ローテーションで回るメドが立った。また先発候補は石川、小川、館山に加え、新垣渚、山中浩史、石山泰稚、古野正人、成瀬善久と8人おり、コンディションのいい選手を起用することができる。
そんな中、8月1日の阪神戦(甲子園)では石山が、7回5安打1失点で勝利。翌2日の同カードでは山中が7回5安打無失点で5勝目を挙げた。指揮官は「先発が1人、2人と出てきてくれると、助かる。他の投手も相乗効果で上がってくれれば」と期待を寄せる。
この窮地を乗り切ったとき、ヤクルトが2001年以来14年ぶりのリーグVにグッと近づくことになる。
