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スマートフォンユーザーに国境はない。

グーグルは、誰でも、どこからでも、ユーザーをオンラインに接続しようとしている。Telegraphによると、今日うわさとなったのは、同社が新しく参入するワイヤレス事業者サービスに対し、安価なデータ・ローミングの導入を協議しているというものだ。

それ自体は大きな計画ではないし、グーグルが正式に発表したわけでもない。だが、ベライゾン、AT&T、T-Mobile、Sprintに対しては最初の警告となるだろう。そして、最初で最後ということもないはずだ。ブロードバンド・アクセスにおけるGoogle Fiberと同様に、同社はネットワーク事業者の市場を揺るがそうとしているのだから。

データ・ローミングはその変化の中心となるだろう。グーグルがひとまず参入しようとしている米国市場では、データ・ローミングは価格が高く、通信量も制限されている。ユーザーが海外で利用する際にはなおさらだ。 もしグーグルが現状の一新へと動けば、既存の有名企業は先を争ってそれに続くだろう。

常時接続

Nexus 6を購入し、グーグルのネットワークに加入しよう

海外でのローミングに関して言えば、グーグルはハチソン・ワンポアと提携するのも悪くない。Telegraphの記事でも、同社はそうする意思があると書かれている。ハチソンは英国で3つのネットワークを所有しており、英国のユーザーが海外で利用する際のデータ・ローミングのコストを大幅に削減したことは既によく知られている。実のところ、この3つのネットワークは大量の広告で成り立っているのだが。

しかし、それはグーグルにとって始まりにすぎない。以前の記事で述べたように、ワイヤレス事業者としての新しいアイデンティティの基盤となるのは、Wi-Fiと携帯電話ネットワークを瞬時に切り替えられるという点だろう。それはRepublic Wirelessが開拓したのと同じ、革新という道をたどることになる。Wi-Fiの利用可能な場所が増えれば、その存在意義はこれまでになく増すだろう。

われわれに分かるのは、グーグルがモバイルネットワークに関して(まだ)大規模な計画を立てているわけではないということだ。耳に入ってきたうわさは、Nexus 6のユーザーに制限するということだけで、今は多数のユーザーを対象としていない。Nexusの端末はサムスン、HTC、ソニー、LGを脅かそうとしているのではなく、それらのメーカーを刺激するものだ。それと同様に、グーグルは既存の携帯電話ネットワーク事業者を打倒するのではなく、イノベーションの推進を望んでいる。

Google Fiberは、小規模なプロジェクトを利用して、市場浸透率を高めるというよりは、どちらかと言えば、より良いサービスのひな型を構築している一例である。少なくとも初めはそうだった。グーグルの新しいモバイルネットワークにサインアップすれば、Google Fiberの設置された地域ならどこでも無料のWi-Fi通話とダウンロードができるようになる、ということではない。

ワイヤレスにおけるイノベーション

もちろん、これらが実現するのは遠い将来のことだ。グーグルのネットワークがいつサービスを始めるのかまだ分からないし、ロンドンからFacebookのステータスを更新するのにかかる料金については言うまでもない。しかし、データ・ローミング料金は、イノベーションの機が熟した分野のほんの一例であり、通話、SMS、データ使用量などでもそれに続いてすぐに変化が起きるだろう。

グーグルが当分の間、サービスを米国の一部地域に限定するのにやぶさかでないのには、他にも理由がある。ヨーロッパでの利益は薄く、規制がより厳しくなっているためだ。

グーグルにとって幸いなことに、ユーザーはパリのホテルからでも、インドの片田舎からでもオンラインでいたいと願っている。ユーザーの利便性向上に向けた後ろ盾を得ているわけだ。超高速ブロードバンドや、気球、無料のデータ・ローミングによって、ユーザーはより頻繁にGmailのメッセージをチェックし、ウェブ検索を行うだろう。結果、今まで以上にグーグルの広告を目にすることになるのだ。

画像提供:Google

David Nield
[原文]