16日の英国各紙に、『レディング選手に殺人予告』というショッキングな見出しが躍った。MFスティーブン・ハントとDFイブラヒマ・ソンコの両選手に、殺害を予告する脅迫状が届いたというのだ。

 事の発端は、10月14日に行なわれたレディング対チェルシーの一戦。開始直後にハントがチェルシーのGKペトル・ツェホと激しく衝突。このプレーで、ツェホは頭蓋骨骨折の重傷を負い、今シーズン中の復帰が絶望的。さらに、ツェホに代わって出場したカルロ・クディチーニも、ソンコとの接触プレーで意識を失い、酸素マクスを当てられながら途中退場。8日のアストン・ビラ戦(リーグカップ)で、ようやく復帰を果たしたばかりだ。

 地元紙は、ハントとソンコに宛てた脅迫状の一部が、「我々の選手にケガをさせたお前たちを殺す」といった文面であり、チェルシーのサポーターによるものである可能性が高いと伝えている。当初、レディングの練習場に届いた脅迫状を単なるイタズラと考えた選手たちは、手紙を練習場のドレッシングルームに貼り付けていたという。しかし、その後も脅迫状が届き続ける状況を深刻に捉えたクラブ側が、警察に捜査を依頼。以降、捜査が続けられている。名指しで脅迫を受けたハントは「クラブが対処してくれており、それ以上は話したくない」と語り、ソンコは一切のコメントを拒否している。

 この件について、チェルシーは「我々は脅迫行為を厳しく非難する。もし仮に、チェルシーのサポーターが関係する証拠が見つかった場合は、警察への協力は惜しまない」との声明を発表。一方、レディングのスティーブ・コッペル監督は「我々はこの件を表沙汰にするつもりはなかった。捜査は警察に任せているし、すでに数週間が経っている。いまさら蒸し返す意味がどこにある」と、大々的に報道するメディアに不快感を示した。

 試合中のアクシデントが、プレーヤーの選手生命を脅かしただけでなく、当事者の選手を死の恐怖に晒す結果となってしまった。この不幸の連鎖を止めるためにも、一刻も早い捜査の進展が待たれるところだ。