旧日本軍の従軍慰安婦の金福童(キム・ボクトン)さん、吉元玉(キル・ウォンオク)さんらと支援団体の韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が7日午前、ソウル市内で記者会見を行い、日本政府から賠償を受けた場合、自分たちと同じ痛みを経験する戦時性的暴力の被害女性たちに全額寄付するという意思を明らかにした。

 また、韓国政府に対し、ベトナム戦争時の韓国軍の性暴力について謝罪を求めた。複数の韓国メディアが報じた。

 この日の記者会見は、「3.8国際女性デー」と「ナビ(蝶)基金」の発足2周年を記念したもので、戦争と女性の人権博物館で行われた。

 金福童さんは「同胞が犯したことは韓国政府が解決すべき。知らないふりはできない」とし、「力がおよぶところまで被害女性たちを助けたいと思う」と語った。

 これまで挺対協は、2012年3月8日にナビ基金からアフリカの内戦中に性的暴行を受けたコンゴ民主共和国のレベッカ・マシカ・カチュバさんに3000ドル(約30.9万円)を支援した。カチュバさんはこの支援金でコンゴに内戦被害女性支援センターを作った。

 昨年からは、ベトナム戦争当時、韓国軍に性暴力を受けた被害者11人に毎月100ドル(約1.03万円)ずつを支援。性暴力被害者2世の別名「ライダイハン」2人には合計9000ドル(約92.8万円)を提供した。

 さらに挺対協は、3番目の基金からの支援対象者を選定するために、イスラエルとパレスチナの内戦に伴う性暴力被害の現状を調査していると明らかにした。

 記者会見を見守った関係者は「最近、日本政府が慰安婦問題を謝罪した1993年の河野談話を再検証するとして、被害者の『傷口に塩を塗っている』」とし、「それでも自分たちと同じような傷を負った女性たちに支援の手を差し伸べ、き然とした態度の慰安婦被害者の女性たちは誇らしい」と述べたという。(編集担当:李信恵)