Jリーグが2015年からの2ステージ制移行を正式発表してから、Jリーグクラブからもサポーターに対する説明の動きが出てきました。

先日、浦和の公式サイトで説明が掲載された事は書きましたが、先日行われた川崎フロンターレによるサポーター向け説明会の議事録も公開されました。

J1リーグ大会方式の変更について(レッズ公式)

「J1リーグ大会方式の変更について」の説明会(報告)(フロンターレ公式)

説明会参加者によるTweetも紹介しておきます。みなさんの感想などもあるので、いろいろ参考になります。

2シーズン制導入経緯の説明会まとめ(denim001さんによるまとめ)

武田社長の説明が「残念な結果になりました」から始まった事が全てを象徴している気がします。全会一致でポストシーズン制導入が決まったとされていますが、賛成した理事・委員も苦渋の決断だったということでしょう。

で、橋本社長や武田社長の説明から分かったことは・・・

・スポンサーやテレビの放映権の契約が2013年で切れるものがある。
・2013年で切れる契約の中には非更新や減額を要求されているものがあり、このままでは10億円くらいが減額となる見込み。
・ポストシーズン制導入でポストシーズン制によって減収分の穴埋めが出来そうな感触がある。
・ポストシーズンは必ずやるというのはテレビ局側の条件。(1stステージと2ndステージの勝者が同じでもやる)

いままでJリーグがポストシーズン制移行の理由としてJリーグの人気がジリ貧だから今のうちに何とかしないといけないからと説明してきていましたが、どうも稚拙というか唐突な感じがしていたのは、スポンサーやテレビ局側からの減額圧力があったからなんですね。詳細がきまらないうちに見切り発車のように移行を決定したのも、2014年以降の契約更新が迫っていたからというわけです。

Jリーグは、これまでもメディアを通じて説明してきたと言っているらしいけど、メディアのビューに答えるのが説明と言うのなら、それはおかしな事だと思います。自ら発信した情報は、理事会で決定した後に掲載されたものだけです。これで全て理解しろというのでしょうか?内容も、浦和の橋本社長や川崎の武田社長の説明の方が突っ込んだ説明でより理解できます。スポンサーやTV局との交渉の直接の当事者としては言いにくい事もあるのかもしれませんが、これで説明をしてきたと言っても理解する人は少ないでしょう。本来は、クラブからの情報発信に頼らなくてもJリーグがきちんと説明すべきことでしょう。

2015シーズン以降のJ1リーグ戦大会方式について(Jリーグ公式)
大会方式変更にあたってのチェアマンのコメント(Jリーグ公式)



さて、これが全てかどうかはわかりませんが、とりあえず、Jリーグが2013年中に決めるべく急いていた理由、本音はともかく、実行委員会や理事会のメンバーが賛成に回らざるを得なかった事情もある程度わかりました。

だからと言って、その解決策が2ステージ制+ポストシーズン制となるのは納得できません。
何度も書いてますけど理由は単純で、1年間の戦いで最も良い成績を残したチームがチャンピオンとよばれるべきだから。また、1回戦総当たりだとホームとアウェイの関係性から不公平が生まれることもあります。さらに言うなら、1stステージでACL出場チームが優勝することはかなり困難になるでしょう。そんな事は、2ステージ制を決めた実行委員会や理事会のメンバーも分かっています。

ポストシーズン制導入がテレビ局などのメディアの要求なのだとしたら、根本の問題は、日本にサッカー文化が根付いていないところに行き着くような気がします。

実際、テレビ中継をみていると、プレーの途中にCM入れたり(ポストシーズン中継が噂されるTBSはよくやりますね)、特定の選手だけをクローズアップしたり(今年で言うと柿谷。プレーに関与してなくても柿谷を連呼するアナウンサーには閉口)、やたら選手にアップを取りたがるテレビカメラがあったり(試合の流れがわからなくなる)、リプレーを何回も入れたり(おかげで肝心なシーンが映らなかったり)、サッカーを見る人が何を望んでいるのかを分かっていないような番組構成が目立つ気がします。
選手のアップを取らないカメラマンにプロデューサーが「視聴者はそんなの望んでいない」と言ったという話を聞いたことがありますが、そいうものがあるとしたら、結構、根が深いのかもしれません。その辺りの課題は、地道な活動でしかクリアできない種類のものでしょう。

そうしたサッカー文化が根付いていない事に原因があるとしたら、僕はポストシーズン制によって観客動員が増えるとは思えないし、大した増収にはならないと考えています。
それよりも、やはり、土曜固定開催廃止、ベストメンバー規定廃止、過密日程の緩和(平日開催を減らす)、地方局への放映権の開放などをまずはやって貰いたいと思います。これらの有効かどうかわからない(むしろマイナスのようにおもえる)規制を見ると、どうもJリーグの目は、サポーターよりもスポンサーやテレビ局の方を向いているように思えてしまいます。客を大事にしないとスポンサーも離れていくのに・・・。

この大会方式の変更を実行しないと10億円の減収となるそうですが、各クラブへの分配金はJ1で5000万円くらい、J2で2000万円くらいの減となる数字だそうです。僕の応援する浦和レッズは、この目先の5000万円より平日開催が増える方が痛いのですが・・・。
この改革とやらが有効とは思えないのですが、クラブとしては分配金が数千万円減ったからと言っても大丈夫なように体力をつける必要があるのかもしれませんね。