中二病から大二病、そして「社二病」……年はとっても中身は成長していない?

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自分は“やればできる人間”だと思っている「中二病」、そんな中二病を否定する「大二病」ときて、今、社会人2年目がかかりやすいという「社二病」が話題になっている。

主な症状としては、以下の通りだ。

「『やっぱ、仕事の後のビールはうまいね』と言ってしまう」

「栄養ドリンクは高いものを買うようになる」

「『残業が大変でさあ』と愚痴を言ってしまう」

「ビジネス書の受け売りや、聞きかじったことで『だからダメなんですよ』と会社批判や上司批判をしてしまう」

「新人に『いつまでも学生気分でいるなよ』と言ってしまう」

とても“病気”とは言いがたいようなものが挙げられているが、いったい何が問題なのか。精神科医のゆうきゆう先生に聞いてみた。

「精神医学で社二病という病気が定義されているわけではありません。でも、社会に出て仕事に慣れ、いろいろなことが“わかってきた”ときに陥りやすい心理状態を社二病と表現できるかもしれませんね。まあ、実際には“わかってきた”というより、仕事に慣れて生活スタイルが安定したことで、心理的な余裕ができて、“いろんなことがわかってきたと勘違いしている”状態といえます」

わかってきたと勘違いしている状態が「社二病」……?

「いわゆる“知ったかぶり”ですね。社二病の特徴的な症状は『自分は社会人である』ことをことさら主張します。また、後輩などに『社会ってそういうもんなんだよ』と悟ったことを言ってみたりします。だから、『徹夜で仕事したんです』など、私は仕事を頑張ってます的な自己主張をしだしたら、社二病のなり始めなのかもしれませんね」

つまり、社二病とは、とにかく自分は一人前の社会人なんだとアピールしたがる病気というわけだ。

「それに社二病は、中二病や大二病に比べて、社会性や一般常識がある程度身についている分、まともな意見を言ってるように思えるので、わかりにくいんですよ。自己顕示欲が強い大二病をさらにこじらせた感じです」(ゆうき先生)

そんな状態では、もし社二病にかかったら会社で出世することも難しいのでは……? 人材コンサルタントの常見陽平氏は、こう指摘する。

「社二病になったとしても、それで出世に影響が出ることはないと思いますよ。ただ、社二病になると、自分は仕事ができるような気になって、調子に乗って上司に意見をしたり、仕事が終わった後の遊び方が派手になったりするんです。例えば毎日飲み歩くとか。そうすると、仕事が雑になったり、ラクなほうへいこうとするので、後で伸び悩むでしょうね。本来、2年目はまだまだ若手なので、自分の苦手な分野の勉強をするなどしたほうがいいんですけど」

社会人になりきれていない社会人がかかる「社二病」。仕事を覚えて早く一人前になれば、自然にそんな病気も治まりそうなものなのだが……。

(取材・文/村上隆保 イラスト/西アズナブル)

■週刊プレイボーイ20号「これが“リアル社二病”だ!!」より