韓国政府と韓国銀行は9日、日韓通貨スワップの拡大契約を延長しないことを明らかにした。31日に契約が終了すると、通貨スワップは2008年前の水準である130億ドル(約1兆円)に減少する。(イメージ画像:Photo by Thinkstock/Getty Images.)※画像の無断ダウンロードと転用を禁じます。

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 韓国政府と韓国銀行は9日、日韓通貨スワップの拡大契約を延長しないことを明らかにした。31日に契約が終了すると、通貨スワップは2008年前の水準である130億ドル(約1兆円)に減少する。複数の韓国メディアが報じた。  韓国メディアは、「頑固な日本がうたった韓日通貨スワップ停止」「韓国政府、豊富な外貨準備高を土台にプライド対応」などと題し、韓国と日本が今月末に満期となる570億ドル(約4.5兆円)規模の通貨スワップ契約を延長しないことを決定したと伝えた。

 韓国政府は、日韓通貨スワップ拡大措置を終了する理由として、「韓国経済の信認の改善と金融市場の安定により、通貨スワップの経済的価値がなくなったため」と説明した。

 しかし韓国メディアは、竹島(韓国名:独島)問題などと関連して、日本の経済報復の脅威、韓国の国民感情など、さまざまな経済外の要因が複合的に作用した結果との見方を示している。

 当初、韓国政府は「政経分離」の原則を掲げ、両国の経済協力は継続していくという態度を維持していた。しかし、契約満期が近づくと、日本側は韓国からの延長要請がないと刺激する発言をマスコミを介して吐き出すなど、日本からの圧力が露骨化し、韓国内の雰囲気が変化したと指摘。

 このような行動は「経済大国」日本の姿ではなく、韓国政府の「政経分離」の原則を理解して、アジア経済協力の枠組みで、より成熟した姿勢を見せなければならないと批判した。

 一方で、韓国経済の対外信任度は上がっており、日本の経済報復発言以後も、3大格付け機関が韓国の国債信用格付けが上昇したことも要因となっている。また、韓国の外貨準備高も十分な状況であり、国民的なプライドを捨ててまで通貨スワップ協定の延長を頼む必要性はないとして、韓国政府の対応を評価する見方が多い。(編集担当:李信恵・山口幸治)(イメージ画像:Photo by Thinkstock/Getty Images.)