日本撃破を狙うイラク代表ジーコ監督「本田は決定的な仕事をする選手」

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 11日、埼玉スタジアムで行われるブラジル・ワールドカップ最終予選に向け、ジーコ監督率いるイラク代表が合宿中の韓国から来日した。

 イラク代表には専属通訳不在のため、日本の報道陣とジーコはそれぞれ、ポルトガル語、イタリア語、英語、日本語で質疑応答。ジーコは、途中、テレビ局の ポルトガル語の通訳に対して「後でちゃんと皆に通訳してくれ」と声を掛け、「(バスが出るまで)まだ時間があるから大丈夫、質問して」と言うなど、イラク 代表でも日本代表でも何も変わらない対応で余裕を漂わせた。

 以下、ジーコ監督の一問一答。

−また来日されたことへの感想は(昨年6月、チャリティーマッチと被災地訪問以来)
「とても幸せに思う。日本の皆さんは私の仕事をとてもよく理解して下さっているし、15年を過ごした日本に戻ることは私にとって特別なことだ」

−日本代表をどう見ているか。
「アジアのパワーであり、トップのクオリティを持ったチームだ。決定力のある選手が多く、どの選手、という特定の選手ではなく全員に力がある」

−イラクのチーム状況は?(8日、9日に欧州からの選手も合流するとのこと)
「けが人や、試合に出ていない選手がおり、また韓国の合宿では代表でレギュラーを経験したことのある選手が3人という状況だった。チーム状況は非常に難しく、(チーム全体の)コンディション調整が問題になる」

−勝利の自信は?
「良い結果を出す自信はある。韓国での合宿で(代表経験のない)新しい選手たちを試しているので彼らが代表にふさわしい選手かを見極めるためにも、メンタルでの強さが重要になると思う」

−埼玉スタジアムでは負けていません(日本代表監督時代に7勝2分)
「監督時代には、サポーターの利を活かしていい結果を出すことができた。今回は敵として埼玉で戦うが、無敗記録は続けたいね」

−ザック監督も負けていませんが?
「じゃあ、引き分けでちょうどいいじゃないか(笑)」

−韓国での合宿について教えて下さい。
「トレーニングマッチを1試合、ファーストディヴィジョンの尚武(15位)というチームと6日に試合をし、3−0で勝つことができた。若く、まだ経験のな い選手ばかりの試合だったのでとても難しいものだったが、3−0で勝てたことは彼らに大きな自信となっただろうし、とてもいい準備ができた」

−ご自身が監督だった時代と、今の日本代表を比較して。
「比較するのは好きではない。それよりも、(ジーコが初代表として呼んだ)遠藤保仁、長谷部誠、駒野友一が(イヴィチャ・オシム、岡田武史、アルベルト・ザッケローニと各監督の指揮下で)活躍していることがとてもうれしい」

−本田圭佑をどう思いますか。
「私がCSKA監督時代、会長に『若くてこれから期待できるいい選手だ。獲得して欲しい』と進言している。会長は、本田をちゃんと獲得したが、私がチームを去った(笑)。彼はスペースを与えれば決定的な仕事をする選手だ」

−6日、日本代表のUAEとの親善試合は見たか?
「兄のエドゥーが新潟で観てくれたので、彼から話を聞くことになる。しかし、フレンドリーマッチとワールドカップ予選は全く違うものだ(重要な参考ではない)」

−今日から2日間、トレーニングをされますが、やはり公開で?
「もちろん!(大きく両手を広げて笑いながら)非公開にする理由があるのかい?フットボールはミステリーじゃない」

[写真]=嶋田健一