TBSホールディングス(以下、TBSHD)とその関係者が激震に見舞われている。
 昨年、横浜ベイスターズ売却によって“身軽”になり、大幅に財務内容が改善された同社。今度は子会社や関連会社の再編に着手するという。

 石原俊爾社長は「年内にグループ再編・統合を実施する」との方針を打ち出した。おそらく中間決算が発表になる11月半ば頃に明らかになるだろう。
 この動きを不安な目で眺めているのが赤坂村のTBS関係者。現在ホールディングス傘下には30社、持分法適用会社が3社ある。子会社・関連会社、そして連日出入りする業者を含めると1万人近い関係者の生活に影響するせいか、誰もが固唾を飲んで見守っているのだ。

 では、再編策の具体的な中身はどうか。赤字、もしくは連結決算にマイナスの影響を与える関連・子会社は、閉鎖もしくは吸収合併の形で整理統合する考えのようだ。最悪の場合、売却もありえる。これにより財務内容を改善し、全体の利益率を上げていく計画。
 ちなみに'12年3月期連結決算を見ると、現在の迷走ぶりがよく出ている。売り上げが3465億円、経常利益が143億円、最終利益が116億円。売り上げがわずか1.1%しか伸びておらず、最終利益が113倍と驚異的に伸びた。これは前期があまりにも悪すぎたことを示している。
 このあたりに、株価が下がらないよう良好な決算をデザインするTBSHDの混迷ぶりがにじみ出ている。

 ある連結対象の会社役員はこう言う。
 「TBSは業績がよくなくて以前から大規模なリストラ策の情報は流れていました。しかし、いざ現実の話になると、どういう処置をするのかさっぱりわからない。業績が上向かない自分の会社は、どこかへ売却されるのか、あるいは合併されてしまうのか、とても心配です」

 では、いかなる会社が再編・統廃合の対象となるか。
 「本来の放送業務以外で、赤字、もしくは売り上げが減っている会社が対象になるでしょうね。そうなると候補は1〜2社しかない。それと放送業とあまり関係のない企業も見直し対象となる。たとえば高級レストランなどです」

 技術関連会社で、スタッフが多くて赤字に陥っている小さな会社は、グループ内の大きな同業種の会社に吸収合併されることも考えられる。
 内憂外患が浮き彫りになった今回のリストラ策で、TBSHDはV字回復できるのか。