新潟っ子ならド定番。新潟のソウルフード「イタリアン」ってなんだ?
「イタリアン」は「イタリアン」!! ということだそうだ。
「『イタリアン』は『イタリアン』」と言いつつも、スパゲティや焼きそばっぽいと自分で分かっているところがなんともかわいいではないか。
この文面の「イタリアン」の部分を「おれ」に置き換えると非常に分かりやすい。
「おれ」ってどんな食べ物? スパゲティ? それとも焼きそば? 「おれ」はどちらでもない。
おれは「おれ」!! 早速、それぞれの店で食べ比べてみることにする。
自家製角太の中華めんの上にたっぷりとトマトソースがかかり、約40年もの間、同じスタイルで出し続けている定番メニューだ。
注文をすると、厨房(ちゅうぼう)からは鉄板の上でめんともやし、キャベツをいためる音が聞こえてくる。
そこに特製ソースを絡めて、まずは焼きそばを作る。
その上に、トマトペーストをベースに作ったソースがかかって出来上がり。
何ともミスマッチな様相なのだが、口にするとあら不思議。
強い酸味を想像していたのだが、ソースにたっぷりと使った玉ねぎがほどよい甘さを醸し出す。
濃厚なトマトソースにからんだ、コシのある焼きそばの歯触りが、口いっぱいに不思議なハーモニーを生み出すのだ。
これで値段は320円。
道行く人たちが、なぜ「おやつ」と呼んでいたのかうなずける。
また、フォークで食べるのもここの特徴だろう。
そして、その脇には「白い」紅ショウガがこっそりとたたずんでいたのだった……。
2大勢力の片方ばかりを食べても比較にならない。
ゆっくり味わいたい気分に後ろ髪をひかれつつ、もうひとつの「Friend」へと向かうことにした。
こちらも「みかづき」同様、「イタリアン」のスタイルに違いはない。
しかし、決定的な違いはそのソース。
トマトベースの「みかづき」に対して、こちらはミートソース。
「イタリアン」の濃厚さと比べると、味の深みで勝負している感がある。
はしで食べるスタイルなのだが、中細めんなのでつかみやすく、また見た目よりもスッと腹におさまっていく。
ひき肉たっぷりのソースとの絡みもバツグンだ。
さらに、中華めんとの相性からなのかもしれないが、ギョーザとのセットが人気商品となっていた。
どちらの店も、焼きそばとパスタの風味を同時に味わえるお得なグルメ、というのが調査後の感想だ。
リーズナブルかつボリューム感もたっぷりで、「おやつ」ならぬ主食としても十分いけそうなメニューだった。
今後、この2大勢力はますますデットヒートを繰り広げるに違いない。
しかしそれは、切磋琢磨にお互いの味を高める至高の戦いであるに違いないのだ。