クリーブランド・インディアンス=CLEはスイッチヒッター2人を含め全員左。捕手はトレアルバ。2試合目。ノーワインドアップ。

Dar-20120506




1回。初球、やや高いがストライク。デーモン、二球目、鋭い振りで右前へ。キプニスには微妙に手元が狂って歩かせる。どんな投手でもそうだが、立ち上がりが問題だ。

3番アズドルバル・カブレラはなんとバント(ファウル)。CLEは徹底的に揺さぶってくる。まともでは勝てないとの意識か。しかし、カブレラ、ハフナー、サンタナと簡単に打ち取る。粘りの無さに救われて落ち着きを取り戻した。

2回。先頭の秋信守を歩かせる。速球のコマンドがやや不安。しかし、表情は変わらない。
変化球はよく決まってブラントリーは見逃し。秋は盗塁。コッチマンは二飛。ハンナハンは三振。無駄球が多い。

3回、デーモンのポップフライを二塁キンズラーが見失って安打に。キプニスには前の打席から7球続けてボール。アンドラスがマウンドに駆け寄る。ストライクが入る。このあたり日米で変わりはない。しかしキプニスを歩かせる。やや審判が厳しいか。もっとも当たっているカブレラが、鋭い当たり。一塁横を抜けて右前へ。二者生還。あまり打たれた気がしないうちに先制を許す。ここからどう立ち直るかだ。ハフナーはスイングアウト。三振もいいが、ゴロを打たせたいところだ。
二死で打者サンタナ。外に変化する2シームをストライクに取ってくれない。これがつらいところ。変化球でスイングは取れるが、球数が多くなる。秋は深いところへ遊ゴロも遊撃アンドラスの送球はスタンドに入り走者カブレラが返ってくる。嫌な雰囲気だ。ブラントリーは初球を打ち3ゴロ。いい当たりの安打はたった1本だが3失点。

4回、コッチマン、ハンナハンを簡単に打ち取る。問題のデーモンもスイングアウト三振。
CLEの先発は2年前にブレークしたウバルド・ヒメネス。テキサス・レンジャーズ=TEX打線はこれを攻めあぐむ。安打が出ない。

早くも5回が来てしまう。キプニスには苦手意識が出来たか(オープン戦では空振り三振に取っていたのだが)実に投げにくそうだ。右越本塁打。速球が内側に入ってしまう。重たい空気。カブレラは三振。ハフナーは四球。サンタナ三振。打たせて取らないためにだらだら敵の攻撃が長引く。この回からダルビッシュは2シーム、スプリッター(フォーク)を多投し始めた。

6回、ブラントリー1ゴロ、コッチマン右前打。ハンナハン三振。コッチマン盗塁。二塁に誰も入らず。緊張の糸が切れた感。デーモンは三振。

ここで降板。112球。負けた感じはしなかっただろう。今のチーム状態の悪さが、いろいろなところに表れている。

ダルビッシュ自身は審判カンポスとの相性に苦しんだ感があった。カンポスは真後ろではなく、やや三塁側に腰を引いて球を見る。こんな審判は日本ではあまりいない。左右に振れる球の判定に厳しいのはこのせいかもしれない。

しかし、さしていやらしい打線ではなかったのに4つも歩かせたのはダルの責任。勝負が遅い。11三振は、独り相撲を象徴する数字だ。

ヒメネスは5四球だが2被安打無失点で7回降板。交替したシップからTEXは2点。

8回、上原が出てきた。ダルが多彩な球種を使いすぎて球数を増やしたのとは対照的に、4シームとスプリッター(フォーク)の組み合わせで1回を抑えた。スターターとセットアッパーの差はあるが、上原の投球を見ていると、ダルは考えすぎという気がしてくる。

uehara-20120506


初の黒星に大きな意味はないが、審判と仲良くするとか、勝ち味を早くするとか、苦手な打者を作らないとか、課題は見えた。左打者を並べたCLEの作戦は功を奏したと言えよう。

6回3自責点、QSを喜ぶようなダルではないだろうが、評価が下がるような投球でもなかった。こういう日もあるということだ。