すべてが決まったと思われた。FWアレシャンドレ・パトはパリ・サンジェルマン(PSG)に、FWカルロス・テベスはミランに移籍すると思われていた。だが12日午後、すべての運命が変わった。状況は一転、パトはミランの公式サイトで「僕はミランにに残る」と明言。一方、アドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役はロンドンでのマンチェスター・シティとの交渉を打ち切った。

テベス獲得に向けたガッリアーニ副会長の一日は、10時01分に始まった。イングランドに向かった同副会長には、レアンドロ・カンタメッサ弁護士とFIFA公認代理人のジュゼッペ・リーゾ氏が同行。ミラン側には新たなオファーがあった。2500万ユーロにボーナスの300万ユーロを加えた買い取りを義務とするレンタル移籍というものだ。

14時前にロンドンでマンCとの交渉が始まった。マンC側はジョン・マクビース氏とブライアン・マーウッド氏が出席。パトのPSG移籍で資金を得るミランにとって、テベス獲得は決まったようなものだった。獲得を争うインテルのマッシモ・モラッティ会長も、「テベスはミランに行くと思う」と話したほどだ。

だが、約3時間にわたる交渉は突如として中断することになる。パトがPSGへの移籍にノーと言ったからだ。こうして、ガッリアーニ副会長はマンC側にあいさつし、交渉をストップさせた。完全なる別れなのか、再会があるのかは分からない。

ミラノのマルペンサ空港へ戻ってきたガッリアーニ副会長は、「テベスはPSGとインテルの争い? 私はどちらも応援しない。何が起きているかは知っているが、私の中でとどめておく。インテルのことは話さない。交渉終了? 終盤にマンCから連絡? 分からないよ。それはシティに聞く必要があるだろう」とコメント。次のように続けている。

「今のところ、攻撃陣はこのままだ。マキシ・ロペスやアマウリ? ノーだ。すべては(アントニオ・)カッサーノの問題から生まれたことだ。それがなければ、何もしなかったんだよ。彼が短期間で回復し、春の補強になることを願おう」

「私はパトがPSGにノーと言ったというより、彼がミラン残留を望んだと言っておきたい。彼は数日前から考えていた。取引はすべて互いが関連しているもので、一人が出て行けば一人が加わる。私は満足しているよ。これは良い兆しかもしれない。選手には人生を選ぶ権利と可能性があると思っている」

「(ジャンルカ・)ヴィアッリが我々にノーと言い、それから(マルコ・)ファン・バステンが来たことを思い出すよ。パトがミランのユニフォームに対する愛情を表したのなら、大歓迎だ。今はダービーのことを考えよう」

ミランとマンCの連絡は、今のところ中断した。こうなると、テベス獲得に最も好条件のオファーを提示しているのはインテルということになる。