気象庁は11日に東北地方太平洋沖で発生した大地震について、エネルギーの規模を著すマグニチュードを9.0と改めて発表した。これまで発生した地震で、世界最大級だったとの見方を明らかにした。

 マグニチュードは、観測された揺れや地震波により算出する。そのため、発生当初の発表に比べ、分析が進むにつれ数値が修正されることも珍しくない。東北地方太平洋沖はこれまでマグニチュード8.8(暫定値)とされていた。

 マグニチュードの数値には、「対数」の概念が用いられる。例えば10進法の数の大きさを比較するのに、1の後に続く「ゼロ」の個数に目をつければ、「ゼロ」の数は1、2、3、4と、それほど極端にではなく増えいても、実際の数としては10、100、1000、1万と急速に大きくなっているのと同じ理屈だ。マグニチュードの場合には「2」大きくなると、エネルギーの大きさがおおむね1000倍になる。

 2008年に発生した四川大地震はマグニチュード(M)7.5、1995年の兵庫県南部地震は、M7.0だった。2011年3月11日に東北地方で発生した地震(東北地方太平洋沖地震、東日本大震災)のエネルギーは、四川大地震の約180倍、兵庫県南部地震の約1000倍の計算になる。

 これまでに世界の観測史上に残る地震としては、チリ地震(1960年)のM9.5、スマトラ沖地震(2004年)のM9.1−9.3、アラスカ地震(1964年)のM9.2などがある。東北地方太平洋沖地震は、これまでに世界で発生した地震の中でも、最大級の規模といえる。

※マグニチュードはいくつかの算出法がある。東北地方太平洋沖地震のマグニチュード9.0は、世界的に比較的新しく使われるようになったモーメント・マグニチュードによる数値。気象庁は正式な記録として、日本における過去の記録と比較対象ができるよう、古い算出法とモーメント・マグニチュードの折衷的な気象庁マグニチュード(Mj)を用いている。東北地方太平洋沖地震のマグニチュードも、今後さらに、若干異なった値が正式な記録とされる可能性がる。(編集担当:如月隼人)



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