昨年の12月、キリスト教の宣教と人権改善の要求を目的として、北朝鮮に入国し、その後43日間にわたって拘束された韓国系米国人ロバート・パク氏が、韓国のテレビ局KBSのインタビューに応じ、「北朝鮮で性的な拷問を受けた」と証言するなど、抑留生活について暴露した。韓国の複数のメディアが報じている。

 パク氏は、北朝鮮人権団体「自由と生命2009」の代表者で、中国と北朝鮮の国境線にある川を渡り、昨年の12月24日に北朝鮮に入った。パク氏は、北朝鮮収容所の飢餓や拷問、殺人について国際社会に広く訴え、金正日総書記の退陣を要求していた。

 インタビューでパク氏は「川を渡ると、すぐに逮捕され、以後は殴打と暴力に苦しめられた。精神が混迷している状態で、女性たちから性的な拷問にあった。極度の羞恥(しゅうち)心と侮蔑感にさいなまれた」と告白した。

 続けて「北朝鮮で苦しんだ後遺症で個人的な意欲をなくし、結婚もできず、そのような関係を結ぶこともできないようだ。また、その後遺症で帰国直後に自殺をしようとした。7カ月以上も精神病院で治療を受けなければならなかった」と打ち明けている。

 最後に、パク氏は「北朝鮮が公開した自身の反省文は、ねつ造されたもの」と説明。「北朝鮮の権力者たちは、住民たちを飢えさせ、奴隷として働かせ、統制することだけを考えている。今後も、金正日(キム・ジョンイル)政権の崩壊を助け、北朝鮮の住民の人権のために生きて行く」と述べている。

 韓国のインターネット上でも、パク氏の告白が話題となっており、ユーザーからは「自殺まで考えるほどの精神的に苦痛を与えた拘留生活なんて、想像もつかない」「解放された直後の写真では、ぼんやりと焦点のない目つきをしていた」「一日も早く心の傷を癒やしてほしい」などさまざまな声が上がっているという。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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