松井大輔が所属するサンテティエンヌから、MFのパスカル・フェインドゥノ(ギニア代表主将)がカタールのアル・サッド・ドーハに移籍してから1週間。新天地では、9月28日にさっそくゴールをあげデビュー戦を飾った。

 フェインドゥノの移籍に、サンテティエンヌ側は同意していないと主張している。しかし本人は、翌日のレキップ紙に掲載されたインタビューで「そんなの真っ赤なウソ。クラブは僕が出たことにケチをつけたいだけだ。クラブだって、僕の移籍で利益を得たはずだ」と反撃した。

 レキップ紙によると、移籍金は推定で700〜800万ユーロ(約10億4000万〜11億8000万円)にのぼる。

 「もしクラブが僕を引き止めたかったなら、金銭的な努力をすべきだった」と語るフェインドゥノ。サポーターからは「カネのため」に自分たちを裏切ったという声が上がっている。アル・サッドがフェインドゥノに提示した年俸は200万ユーロ(約3億円)と伝えられる。
 
 これについては、本人が「もちろん金銭的な選択というのもある。何も隠しはしない」とあっさり認めた。「サッカーが終わったら、誰かに助けを求めるわけにはいかない。家族だって養わなければならない」という言い分だ。

 “サポーターのためにクラブに残る”というようなことを言っておきながら、魅力的なオファーに屈して移籍する選手はこれまで何人もいた中で、フェインドゥノの正直さは出色。彼によれば「サポーターと議論するつもりはないよ。彼らはクラブを愛しているけど、サッカーの世界で何が起こっているかについては知らないんだ」となる。