インタビュー:MEG「型にハマっていない人の方がいい」
 前作「BEAM」からわずか半年、今年6月に中田ヤスタカ(capsule)サウンドプロデュースによるニューアルバム「STEP」を発表したMEG。音楽活動と並行して、ファッション面ではモデル業を経てデザイナーとして自身のブランド「CAROLINA GLASER」を展開し、東京・原宿に路面店を構えるMEGだが、「STEP」発売に合わせて裏原宿をジャックした彼女のポスターには盗難が続出。今月28日にはホームから一番近いSHIBUYA AXにて初のワンマンライブ“PARTY”を控え、SUMMER SONICを始めとした夏フェスへの出演が続々と決定している。

第7回「“MEGらしさ”をつかめていなかった」(2008年07月30日)

――MEGさんにとって、一緒に作品を制作するチームというものがすごく大事なんだなと感じるのですが、「この人と一緒に仕事をしてみたい!」と思うタイプはどんな人ですか?

MEG:型にハマっていない人の方がいいですねぇ。私が「こういうイメージ」と言っても、更に「じゃあ、こういうのもあるよ」「とりあえずやってみて、こういうのはどう?」という所のペースの合う人。それで「あ、違ったね」となったら、すぐに変えられるようなフットワークの軽さのある人ですかね。

――色んなアイディアを持っていて、尚かつ…。

MEG:柔軟!(笑)。

――大事ですねぇー。

MEG:ジャケットを作る時は、CDジャケットだけを専門にしている人よりも、ファッション誌の方で結構変わったことをする人達と一緒に組む方が...なんとなく気が合うんですよね。「CDジャケットです」という概念に捕われていないから、そこは結構大きい。CDジャケットっぽいデザインに落とし込むと、やっぱり今回のヤツとかも、もうちょっと寄りだったりするんですよ(笑)。でも、この“ポツンと感”は、どうしても引かないとでないから、引いてくれとか。「でも、これは寄ってる方がジャケットっぽい」とか「お店で目を引く」いう理論は分かるんですけど、でも作品として好きかどうかが優先。別にジャケットっぽくする必要はないと思っているから。

――MEGさんのようにファッションの世界を経験していないミュージシャンにとっては、「アートワーク」とは言いつつも、まさにジャケットそのものを作ろうとするのが大抵なので、そういう発想や視点はMEGさんならではかもしれないですね。

MEG:話を聞いてるとやっぱりそこにはそこまで興味ないという人も、少なくはないですからね。最初から「CDジャケットっぽくとか考えなくても、いいじゃないか!」というチームだとスムーズに良いものに向かえる。

――顔に寄るなと。

MEG:そうです!「顔に寄る必要ないぞ!」みたいな所ですね(笑)。シングル「OK」のときはまさに、「社内的、営業的にはこちらを…」みたいな感じで顔に寄ったトリミングバージョンが現れて、説得されそうになってましたから(笑)。「足までいれないと意味ない」という芸術とか感性の話を訴えるのは、まぁ大変でした。最後は強引に押しきった形になりましたけど(笑)。

…次回「やったことがないことを試してみよう!キャンペーン」へと続く(2008年08月13日掲載)

第1回「素の私に近いアルバム」(2008年06月18日)
第2回「自分の中の“決心”」(2008年06月25日)
第3回「“アーティスト”MEGさん」(2008年07月02日)
第4回「曲順は任せた方がいい」(2008年07月09日)
第5回「Dithyrambos」(2008年07月16日)
第6回「書きたいことがたくさんあった」(2008年07月23日)
第7回「“MEGらしさ”をつかめていなかった」(2008年07月30日)
第8回「型にハマっていない人の方がいい」(2008年08月06日)
第9回「やったことがないことを試してみよう!キャンペーン」(2008年08月13日)
第10回「常におもしろく変化していくプロジェクト」(2008年08月20日)

MEG ニューアルバム「STEP」特集