日米で、こんなに違う!?大会の立役者
![ブー・ウィークリー=「ブー」は選手登録名。名前の由来はアメリカのアニメのキャラクター(写真/田辺安啓=JJ)](https://image.news.livedoor.com/newsimage/C/4/176e24d9d85432dbdb9a0796cfca45ab-m.jpg)
ウィークリーは南部訛りの英語をしゃべり、見た目はお世辞にも格好いいとは言えないタイプ。米メディアは彼をしばしば「レッドネック(田舎もの)の代表格」として紹介し、彼自身もレッドネックを自認している。噛みタバコをやめる気配は一向になく、「だって習慣だから、しょーがないよ」。マスターズで優勝者にグリーンジャケットが贈られるように、同大会では赤いチェック柄のジャケットが贈られるのだが、ウィークリーが着ると、これまたお世辞にも似合うとは言えない。それでも彼は「これでジャケットが2着になった。土曜日と日曜日に1着ずつ着れるなあ」と、コメディアンよろしく、おどけて話し、インタビュールームは笑いの渦。
そんなウィークリーは昨年の同大会で初優勝を飾って以来、スポンサー関係者や地元メディアの招待ラウンドに何度も足を運び、大会への恩返しを続けてきた。大会関係者からは「こんなチャンピオンは初めてだ」と喜ばれ、「この大会のヒーローだ」と密かなる人気を誇ってきた。そして今年。再びウィークリーが優勝したため、「オレたちのブーがこれからもオレたちの大会のためにやってきてくれる」と関係者の喜びは倍増した。そう、優勝したウィークリーは同大会の立役者なのだ。
石川とウィークリーを比べたら、同じ「立役者」でも、石川はイケメンの若者、ウィークリーは田舎くさくて中年に近づきつつある太り気味のダサ〜い男。石川の夢は「マスターズで優勝すること」だそうだが、「どの試合も試合は試合。メジャーもジャスト・ゴルフ」というウィークリーはマスターズの開催時期をうっかり忘れ、マスターズウィークにハンティング旅行を計画していたほどの無頓着ぶりだった(出場して20位タイだった)。この2人のタイプには天と地ほどの差がある。だが、勝てなかった立役者と2連覇を果たした立役者、どっちがアスリートとして格好いいかと問われたら、そりゃあ石川の健闘したけれど、やっぱり勝利を飾って大会を盛り上げた立役者のほうが「役者が1枚上手」なのではなかろうかと、密かに思ってしまう。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)