今だから評価したい入魂の名製品
はるか昔に発売された製品を見て、「このアイデア、現代でも十分に通用するのではないか?」などと思った経験は、誰もが持っていることだろう。エンジニア300人アンケートから、支持の高かったプロダクトをフォーカスしてみた

ハイスペックテクノロジーを妥協なく追求したり、時代を先取りするアイデアを盛り込んだプロダクトが、必ず成功するとは限らない。名品と呼ばれるモノがある一方、時代尚早で姿を消していった名品も数多くある。しかしそれらに共通して存在しているのは、自分の夢や理想を追求してやろうというエンジニアの熱いソウルだ。だからそういう 製品は、いつ見てもおもしろい。

■ビデオデッキ"ベータマックス" SL-6300
ソニーが考案したビデオ規格。現在ではVHS系がビデオテープの代名詞となっているが、かつてVHSとベータが主導権を激しく争った時代があった。ベータは画質、音質など、クオリティの面でVHSを陵駕し、コアなファンも存在していた。
しかし、カセット、デッキ双方とも精度の高さを要求し続けたことからコスト面で劣勢に立たされ、ビデオの標準規格とはならず、2002年に最後のモデルが製造中止となった。
ソニーは現在、同様に性能重視のBlue-Rayをリリース。コスト高をはねのけて次世代光ディスクの標準争奪戦では優位に立っている。リベンジなるか!?

[Engineer's Voice]-----------------------------
● 画質もきれいだったし、VHSとの競争に負けなければ今でも普及していたと思う。(研究/41歳)
● 画像が当時では他製品と比べてもダントツにすばらしかった。ソニー以外で対応できるメーカーがなかったのでが残念。(機械設計/39歳)
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■MSXホームパーソナルコンピュータ "HIT BIT"HB-55
「人々のHiTBiT〜」という松田聖子のTVCFとともに83年に発売された。パソコンの統一規格MSX2に準拠するマシンで、そのデザインに萌えたファンも少なくなかった。
上位機種はソニーが生み出した3.5インチFDDを装備。当時FDDはまだ珍しく、価格も高かったが、何と2スロット標準装備というものまであった。また256kbRAM、漢字ROMなどを備え、利便性はMSXのなかでもきわめて高かった。
オプションのパレットボードを使えば4096色表示が可能といったマルチメディア志向、デザイン性の高い外観などのDNAは、後にVAIOに受け継がれ、花開いた。

[Engineer's Voice]-----------------------------
● 当時、5万円位で買うことができ、ゲームをしたり、自分でプログラムを作ったりしていました。現在は、TVチューナー付のパソコンが主流ですが、逆の発想でTVをモニターにしてしまうところに感心しました。
(品質管理/44歳)
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■PCエンジンLT
かつて日本電気ホームエレクトロニクスがリリースしていたゲーム機。PCエンジンにはさまざまなバリエーションがあった。カートリッジやCD-ROMを差し込んでデータをローディングする方式が基本で、プレイ画面にはテレビを使用していた。このPCエンジンに液晶モニターを実装し、どこでも高品位画面でプレイできるようにしようとしたのが、このPCエンジンLT。
しかし価格は9万円台と、スーパーファミコンやプレイステーションといったライバルの数倍。液晶がまだ高価だった時代の産物で、その価格では普及は困難だったと思われる。
現在の高画質のポータブルゲームが当たり前に普及している時代と比較すると、同製品はやはり、早すぎた逸品と言える。

[Engineer's Voice]-----------------------------
●本格的携帯用ゲーム機としては、おそらく初の折り畳み式で、驚異的な拡張性を秘めていた。当時、今から考えても価格的にはぶっ飛んでいたが、それを市販化したことは、今冷静に考えるとすごいと思う。
(生産技術/26歳)
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■FM−TOWNS
89年、富士通がNECのPC-9801シリーズに対抗して発売した32bitPC。当時新鮮だったのは、MS-DOSをベースとした独自のOSである TownsOS。マウスによるポインティングだけでPCを操作できるGUIを実現し、X68000と並んでMacintoshやMS-Windowsに真っ向勝負のやる気を感じさせた。また、CD-ROMを搭載する世界初のPCとなるなどマルチメディア性が強かったため、工業高校や高専では“業界標準” となった時期もあった。
 世界を舞台としたPCの標準化の流れに抗うことはできず、最後はPC/AT、Windows化の波に呑まれ、消滅した。 だが、パソコン市場における富士通のブランドイメージの確立には大いに貢献、現在もFMVというブランドに名残をとどめている。

[Engineer's Voice]-----------------------------
● CD-ROM標準搭載の先駆け。今だったら当たり前だけど当事はDOSの時代で先進的でした。(品質管理/44歳)
● CD-ROMが付いていたし、独自のOSでリンクなどもはることができた。おもしろいPCだった。(セールスエンジニア/36歳)
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まだまだある名製品!
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