元ニューカッスルのアラン・シアラーは、古巣クラブがリバプールのFWクレイグ・ベラミの獲得に興味を示している点について不快感を示した。

 昨夏の移籍マーケットでリバプールに加入したベラミだが、2006-07シーズンの戦いで定位置の確保に失敗。スペイン人監督のラファエル・ベニテスは、すでに今オフの放出候補としてベラミの名前を挙げていると言われている。そして、このウェールズ代表FWの獲得に名乗りを上げたのが、ベラミが2004-05シーズンの途中まで在籍し、シアラーとともにプレーしていたニューカッスルだ。

 ニューカッスルの新監督に就任したサム・アラダイスは、新シーズンに向け、すでにMFジョーイ・バートン(元マンチェスター・シティ)やFWマーク・ヴィドゥカ(元ミドルスブラ)を獲得。そして、積極的な戦力補強を行なう指揮官は、グラハム・スーネス元監督と対立しニューカッスルを去った過去を持つベラミの獲得を真剣に検討していると伝えられている。

 この報道に対して、危機感を募らせているのが、2006年に惜しまれながら現役を引退したシアラーだ。いまだ古巣ニューカッスルと強い結びつきを持つ元イングランド代表キャプテンは、その素行の悪さでチームに不協和音をもたらすベラミの獲得報道に対し、驚きを隠せない様子だ。

「ここ数日、私はフランスにいたんだ。本当に素晴らしい休暇を過ごしていたんだが、新聞を見て驚いた。ニューカッスルがベラミの獲得に興味を示しているとの記事を読んだのでね。この記事を読んだ瞬間、とにかく酒が必要だと思ったね。実際、その後何杯か飲んだよ。ベラミの獲得が招いた事態を誰も覚えていないのだろうか? もしラファエル・ベニテスが昨夏の時点で私に電話の一本でもよこしていれば、ベラミがどんな男か教えてやったのだがね。とにかく、報道が単なる噂であることを願うよ」

 愛するニューカッスルのベラミ獲得報道に警告を発したシアラー。現時点で、ベラミの移籍先には、ニューカッスル、ウェストハム、ブラックバーンといったプレミアクラブだけでなく、ユベントスやローマなどセリエAクラブの名前も浮上している。先日、UEFAのAライセンスを取得し、「監督をやるならニューカッスル」と語るシアラーにとってみれば、古巣が“トラブルの種”に手を伸ばす姿を黙って見過ごすことができないようだ。