20代女性の半数「本当は専業主婦になりたい」 「女性が社会で働くには不利な点が多い」が7割
ソニー生命は4月24日、「女性の活躍に関する意識調査2019」の結果を発表した。調査は今年3月にネット上で実施し、20〜60代の女性(各年代200人)計1000人から回答を得た。
日本では女性がどこでイキイキと活躍していると思うかを聞くと、「家庭」(42.9%)が最も多く、「職場」(37.7%)、「ネットコミュニティ」(33.2%)、「地域社会」(29.3%)となった。就業状況と子どもの有無別にみると、子どものいる有職女性は全体と比べ、「家庭」(49%)が6.1ポイント、「職場」(47.8%)が10.1ポイント高くなった。
前回の2017年調査と比べると、「イキイキと活躍していると思う」は「家庭」(前回38.2%)で4.7ポイント、「職場」(前回34.8%)で2.9ポイント上昇している。一方、「ネットコミュニティ」は前回(43%)から9.8ポイント下降。同社は、
「『友人や知り合いの反応が過剰に気になる』『いいねを義務感で押す』など、いわゆる"SNS疲れ"を感じている女性が増えているのかもしれません」
と指摘する。
「共働きが浸透する中、バリキャリ・専業主婦志向の両心情を抱える姿が垣間見える」
有職女性619人に現在の生活について聞くと、「満足している」が51.4%。子どもがいる有職女性(56.9%)は全体より5.5ポイント高くなった。「今後(も)、バリバリとキャリアを積んでいきたい」は43.3%。特に20代(54%)で高くなった。
「女性が社会で働くには、不利な点が多いと思う」という回答は70%にのぼった。子どもがいる有職女性は74.9%と全体より4.9ポイント高い。働く環境において、仕事と子育てを両立していく難しさを実感する機会が多いのかもしれない。
また「本当は専業主婦になりたい」は36.7%で、3人に1人は専業主婦志向ということがわかった。年代別にみると、20代(53.2%)は全体より16.5ポイント高い。同社は、20代ではバリキャリ志向と専業主婦志向が同程度で存在することを受け、
「夫婦共働きというライフスタイルが浸透しつつある中で、夫婦で家計を担うために仕事を頑張りたいという心情と、本当は家事に専念する専業主婦になりたいという心情の両方を抱える姿が、垣間見える結果といえるのではないでしょうか」
とコメントしている。
時給換算すると、最高額は「未就学児の育児」で1488円
全員に日々の家事・育児・地域活動などを時給に換算するといくらになると思うかを聞いた。平均額が最も高かったのは「(未就学児の)育児・世話」(1488円)で、次いで「(小学生以上の子どもの)育児・世話」(1230円)となり、子育て関連が上位2つを占めた。
3位以降、「PTA活動」(1098円)、「食事の準備・後片付け」(1097円)、「親戚づきあい」(1009円)となった。責任ある対応が求められる育児や学校教育活動などが、価値が特に高いと捉えられているようだ。6位以降には、「掃除・洗濯」(959円)、「地域とのつきあい」(890円)、「お買い物」(878円)、「地域社会での貢献」(865円)と続く。
過去調査と比較すると、ほとんどの家事労働で平均額が年々上昇している。特に「(未就学児の)育児・世話」は2013年調査から26%上昇した。同社は、「家事労働は価値や難度・貢献度が高いという認識が、女性に浸透しつつあるという状況の表れでは」と推測している