エフゲニア・メドベージェワ【写真:Getty Images】

写真拡大

GPロシア大会15点差圧勝、ISU公式は珍しい“転倒写真”掲載…完全無欠の強さの証明?

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ初戦ロシア大会は21日、女子フリーでショートプログラム(SP)1位の世界女王、エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)がジャンプで転倒があったが、合計231.21点で優勝。めったにない珍しいミスがありながら、2位に15点差以上をつける圧勝に対し、海外メディアは「珍しく転倒したが、リードを失う危険もなかった」と“珍事”に脚光を当てている。

 これも完全無欠の女王の強さの表れか。メドベージェワは映画「アンナ・カレーニナ」のメロディーに乗せ、いつも通り滑り出した。しかし、いつもの表現力に溢れた演技でミスなくこなしていたが、最後のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)で転倒。演技後は苦笑いを浮かべていたが、150.46点をマークし、悠々と母国で表彰台の真ん中に立った。

 ただ、転倒は絶対女王がめったにしないミス。“珍事”を表すように、国際スケート連盟(ISU)は優勝したにもかかわらず、公式サイトで転倒した写真で特集を掲載。いかに珍しいことだったかが見て取れる。

 それでも、それ以外の演技内容は圧巻。米スケートメディア「icenetwork」は「メドベージェワは母国の氷上で頂点に君臨」と報じ、「ダブルアクセルで珍しく転倒したが、リードを失う危険もなかった」と大きなミスがありながら圧勝したことに脱帽していた。

本人は余裕たっぷり? 「喜びを早く出しすぎた」「それは役立つミスで…」

 実際に、本人も余裕たっぷりな様子だ。記事によると「自分はよく頑張ったと思うわ」と話した17歳は、さらにこう振り返ったという。

「特に最後のジャンプなどでいくつかミスがあった。道徳的な弱さね。喜びを早く出しすぎたの。でもそれは役立つミスで、私はそこから学べるわ」

 珍しい転倒も「役立つミス」と言ってのけ、さらなる進化に自信があるようだ。平昌五輪の金メダル最有力と目される17歳。果たして、失敗がありながら圧勝した母国での経験を糧に、どんな演技をこれから見せてくれるのか。

 異次元の強さを見せる世界女王シーズンは、まだ幕を開けたばかりだ。