15歳はるかぜちゃん、「11歳の哲学者」に助言 「全て悟ったように語るのは早すぎる」
わずか10歳で執筆した自己啓発本『見てる、知ってる、考えてる』の大ヒットで、いまメディアに引っ張りだこの小学5年生・中島芭旺(ばお)君(11)。「小さな哲学者」とも呼ばれる彼に、ツイッターで「人生のアドバイス」を送った先輩がいる。
それは、元子役でタレントの「はるかぜちゃん」こと春名風花さん(15)。2017年1月11日のツイッターで、芭旺君に向けて「全て悟ったように語るのは君にはまだ早すぎる」などと呼び掛けたのだ。
「気持ちが落ち着いたころに、ゆっくり読んで」
芭旺君は小学3年生の頃にいじめを受け、2014年9月から学校に通わずに「自宅学習」を続けている。母親のフェイスブック投稿によれば、芭旺君は興味を持った専門家の勉強会に行ったり、YouTubeにアップロードされている教育動画などを見ながら、自分なりの方法で勉強を続けているという。
そんな芭旺君の「生き方」に疑問を呈し、ツイッター上で1000字以上にわたるアドバイスを送ったのがはるかぜちゃんだった。17年1月11日、芭旺君のツイッターアカウントにリプライ(返信)する形で、
「前から、君に会えたら話したいなと思っていたことを書きます。いまは嫌がらせもたくさんきていると思うので気持ちが落ち着いたころに、ゆっくり読んでもらえればいいなと思います」
などとメッセージを送り始めたのだ。
はるかぜちゃんは続けて、いじめが嫌で学校に行かないことを選んだ芭旺君の判断について「自分を守ろうとしたこと、 勇気を出してその想いをお母さんに言えたことはとても大切で素晴らしいことです」と称賛。だがその上で、
「けれど、たった1つの学校と合わなかったというだけで 学校や集団生活をあきらめて 全て悟ったように語るのは 君にはまだ早すぎると思います」
と厳しい言葉を送った。
子供時代は「もう二度と戻ることのない大切な時間」
その後も、はるかぜちゃんの勢いは止まらず、テレビ番組への出演や専門家との対談企画などタレントとしての活動が目立つ芭旺君に対し、
「世界は限りなく広く 学校も生徒も星の数ほどいて 君と一緒に学校で学ぼうとする子供達も 現状の学校教育に対して同じ考えを持っている子供達もたくさんいるのに 君はなぜいつまでも、大人の中でしか遊ぼうとしないのですか」
との疑問を投げかけた。続けて、同世代の子供と過ごす学校での集団生活には、親や大人達からは「学べないものがたくさんあります」として、
「君の貴重な子供時代は 後からどれだけ懐かしく感じようとも もう二度と戻ることのない、大切な時間」
「彼らは君をチヤホヤしてくれる事もなければ、特別視もしない。 本の売り上げや知名度upに貢献してくれる事もない。 もしかしたら、君と君のまわりの大人達には、何の役にもたたない なんの価値もない、つまらない人間達に見えるかも知れません」
「けれど、それこそがぼくは 君に見て、知って、考えて欲しいものなのです」
と続けざまに投稿し、自らの思いを芭旺君に強く訴えた。
10回以上に及んだ連続ツイートの終わりではるかぜちゃんは、これまでの厳しい語調とは一転して、
「1人でどこへでも行って、誰にでも会えて、何でもできる君だからこそ 君がまだ知らないたくさんの子供達に、いま一番、会ってみて欲しいのです」
と優しく芭旺君に呼びかけている。
「すごく核心を突いてる」
いったいなぜ、ここまで厳しいメッセージを送ったのか。その理由について、はるかぜちゃんは後のツイートで、芭旺君と同じような経験をしてきた自分にしか「かけられない言葉があると思ったから」だと説明している。
はるかぜちゃんは9歳でツイッターを始め、その子供とは思えない言動で一躍「時の人」になった。小学生ながら数多くのバラエティー番組に出演し、子役としてもドラマや映画の世界で活躍した。
そんな自身の子供時代を「大人達の中で育ちました」と振り返るはるかぜちゃんだが、11日のツイッターでは、
「(大人達との交流は)刺激と学びが多くて楽しかったです。けれどそこで欠落していて どうしても埋められない部分は、絶対にある」
と感じていることを告白。その欠落を埋めてくれたのは「学校の仲間」だったとして、芭旺君に関しても「同年代と悩んだり励まし合う経験」が必要なのではないか、と訴えている。
こうしたはるかぜちゃんの一連の投稿には、「すごく核心を突いてる」「本当に大切なことだと思います」と好意的な反応が相次いでいる。
なお、当の芭旺君は12日夕時点で、はるかぜちゃんからのメッセージに対し、ツイッター上では反応を示していない。