マリナーズ・岩隈久志【写真:Getty Images】

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快投のカギは時速113キロのスローカーブ「緩急がつけられた」

 28日(日本時間29日)本拠地で行われたパイレーツ戦で、今季7勝目(6敗)を挙げたマリナーズ岩隈久志投手。6回終了まで2安打無失点の快投で、7回に4安打で2失点したが、6回2/3を投げて6安打4奪三振1四球で2失点(自責2)という内容で、チームを勝利へ導いた。

 前回タイガース戦では5回途中で3被弾5失点KOを喰らった岩隈だが、この日はストライクゾーンを広く使いながら緩急をつけた配球で、初対戦のパイレーツ打線を黙らせた。だが、地元紙「シアトル・タイムス」電子版は、試合後に岩隈は「実は試合前のブルペンでは感触はよくなかった」と通訳を介して明かしたと報じている。

 この日のカギとなったのは、球速70マイル(約113キロ)のスローカーブだったという。14球投げたカーブのうち10球でストライクを奪うなど、その効果は絶大だった。岩隈は「緩急をつけた配球で、ストライクを奪うことができた」と納得の様子だったそうだ。

 また、その他にも「低めの制球ができた。早いカウントでストライクゾーンを攻めながら、ストライク先行で投げられた」ことも好投のカギだったと、試合後に米メディアに対応した岩隈は明かしたそうだ。地元紙「タコマ・ニューストリビューン」電子版が伝えている。

「彼がいかなるプロか声高に物語る内容」とサービス監督、右腕を絶賛

 サービス監督も岩隈の好投を絶賛している。この日の勝利について「先発投手の好投から始まった」と高評価。さらには「目を見張る仕事ぶりだった。彼がいかなるプロか声高に物語る内容。本当に満足している」と指揮官は興奮気味に話したと、「シアトル・タイムス」電子版は伝えている。

 今季9度目のクオリティースタート(6回以上を投げて3失点以下)をマークした岩隈は、白星先行の7勝目を手に入れた。前回こそ乱調だったが、6月は先発した5試合中4試合で7回のマウンドに立っており、安定感のある働きを見せている。次回登板は7月3日(日本時間4日)本拠地でのオリオールズ戦の予定。前半戦は多くても2試合で先発するだけだが、今季いまだ達成していない無失点登板で、気持ちよく前半戦を締めくくりたい。