大規模修繕工事が終わったのに、直してほしかった箇所が直っていない! こんな時、「不備があるのだからコンサルタントや施工会社にお金は払わない!」と支払いを拒否できるのでしょうか?
実は最近、このような支払い拒否をめぐって管理組合が裁判で負けてしまう(支払いを命じられる)ニュースが話題になりました。
今回は、さくら事務所代表取締役社長の山本直彌さんとアシスタントの中山さんが解説する「工事の不備による支払いトラブルを防ぐ方法」について分かりやすくお届けします!

■なぜ工事に不備があっても「支払い」を命じられるのか?
ニュースの事例では、共用廊下に水溜まりができる不具合が直っていなかったため、管理組合がコンサルタント(設計監理者)への報酬支払いを拒否しました。しかし、裁判所は「費用の支払いが必要」という判断を下しました。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。その背景には、管理組合と設計監理者・施工会社との間の「コミュニケーション不足」および「契約内容の相違」があります。
「廊下の水溜まりを直してほしい」という住民の切実な要望が、設計段階で正しく共有されていなかったり、設計仕様書に明確に反映されていなかったりすると、法的には「契約上の仕様書通りに業務を行った(そのため報酬は支払われるべき)」という主張が通ってしまうのです。

■設計者と施工会社が「慣れ合い」に陥るリスクも?
もう一つの問題は、現在主流となっている「設計監理方式」の構造的な問題です。
工事中に想定外の事態が起きたり、ミスが発覚したりした際、設計者と施工会社は「自分の責任(ミス)を隠したい」という利害が一致してしまうことがあります。
その結果、不都合な事実が管理組合に隠されたまま、「この代替方法で進めましょう」と丸め込まれてしまう恐れがあるのです。

■支払いトラブルを防ぐための3つの対策
では、管理組合はどう対応すればよいのでしょうか。山本さんは以下の3つの対策を推奨しています。
1.要望は「記録に残る形」で伝える
「あとはプロにお任せします」と丸投げするのではなく、直してほしい劣化部分や不具合などのウィークポイントは、見積もりや設計の段階で必ず「記録に残る形(書面など)」で明確に伝え、仕様書にしっかり盛り込まれているかチェックしましょう。
2.おかしいと思ったら「セカンドオピニオン」を入れる
月に1回の工事定例会などで「工事の仕様を変更したい」と言われた際、言われるがままに鵜呑みにせず、別の第三者専門家に妥当性を相談(セカンドオピニオン)することが重要です。

チャンネル情報

マンション管理専門Youtubeチャンネル「マンション買うなら聞いてくれ」です。 不動産コンサルティング会社「株式会社さくら事務所」が運営しています。 「管理組合って何?」「規約の意味がわからない」「大規模修繕工事のノウハウ」「長期修繕計画の見直し方法」など、本格的な実務知識まで役に立つ情報を出し惜しみなく公開します!