【書評】『ドラゴン・メトロ-地龍鉄道-』/馬伯庸・著/大恵和実・訳/早川書房/2750円【評者】澤田瞳子(小説家)皇帝によって統治される大唐帝国の都、長安。それは牛筋皮のねじれを利用して飛ぶ天策府空軍の飛行機や道教の法力によって守られる華やかな都市だ。十字路に立つ紅緑灯籠、空を駆ける紙鳶に道を駆ける加長羊車。栄華を極めるそんな街の地下では、数百頭の龍が鎖につながれて隧道を行き交い、「地下鉄」として人