「カリスマ」をテーマにした五編の短編が収められている。......といっても、SNSのフォロワーがめちゃめちゃ多い経営者とか、盲目的なファンに崇められているアーティストとかの人生がドラマティックに描かれているというわけではない。身近にいる抗いがたい力を持った存在に、魅入られてしまう人々の物語である。読み進めるほどに夢と現実の境目が曖昧になる。小説の世界と、読んでいる自分がいる場所の関係も揺らいでいく。