ああもう、これはどうやって紹介すればいい本なんだろうか。京極夏彦の新刊『猿』(KADOKAWA)を前に、私は途方に暮れている。うっきー、と叫びたいくらいである。『猿』だけに。漢字一文字の題名は非常に不愛想だが、坂野公一の手がけた装丁も同じくらい情報量が少ない。特殊加工の凝らされた表紙は、遠目で見ると猿の顔が浮かび上がってくる仕掛けだ。単行本の帯には推薦文やら、本を売るためのコピーやらが賑やかに並ん