長南政義さん日露戦争(1904〜05年)最大の激戦とされる旅順要塞(ようさい)の攻略戦、中でも二〇三高地を巡る戦いで「日本軍はなぜ膨大な死傷者を出したのか」「現地の第三軍司令官・乃木希典の指揮は果たして適切だったのか」という問いに答えようとした。従来の旅順戦史研究は主に戦いを中央から指導した大本営側の史料や公刊戦史に基づいていた。司馬遼太郎の歴史小説『坂の上の雲』もそれらをベースに「度重なる失