どうしたものか、田中角栄が要職に就くとき、そのポストには常に難問が待ち構えている。郵政大臣ではテレビ局の予備免許問題があり、自民党政調会長のときは日本医師会の保険医総辞退という事態に直面した。また、やがて首相になる直前の通産大臣時には、歴代通産相がそろってお手上げ状態だった、日米間の通商問題最大の懸案だった日米繊維交渉が立ちふさがっていた。田中はそうした直面する懸案、課題を、すべからく解決に持っ